狗巻棘の犬

犬１８匹 ページ19

狗巻side



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「ツナマヨ……」




Aが抱きついたまま寝てしまった

本人は気持ち良さそうに寝息を立ててる





入学したばっかだし、疲れてたのかな




「…A」




寝てるのをいいことに名前を呼ぶ

家では普通に呼べるけど、

学校だと少し気恥ずかしくなる



…五条先生なんかに聞かれてみろ

それこそ飽きるまでからかわれるに決まってる






『と、げ……くん』

「…」



.



.




俺が小さい頃からAは側をついていた


その時の俺は呪言で色んな人を呪ってしまうし、

たくさん傷つけてしまった


だから近くに人がいるのが少し怖かった

直属従者なんていらないと思ってた





『いぬまきさま!いぬまきさま!』


「…ついてこないで」


『あぅ…』



そう言えばAは捨てられた犬のように

ただそこから動かずついてこれなかった



でも数十分ぐらい経てばまた俺を見つけては

ついてきての繰り返しで、その度に呪言を使って

俺の喉はとっくに枯れていた



「つい"、て『わ、わたしいぬまきさまと!』




『ともだちに!なりたい…です……』

「！！」



最後の方はどんどん声が小さくなってて


小さながらも主従関係を理解していたAは、

どうしようどうしようと慌ててた




「……と、げ」

『えっ?とげ、さま……?』

「くん…」

『と、げくん!とげくん!!ともだちですか！？』


コクッ


と首を振れば、


わーい!ともだちだー!と喜んで今みたいに

思いっきり抱きついてくるようになったのは

これが始まり…なのか?



従者なのに君付けだなんて、と周りにも怒られた


従者ってなんだろなぁ、友達でもいいのかなぁ

ってあの時思ったなぁ




「ふふっ……」




スヤスヤと寝ているAの頭を撫でた




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