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炭「姉さん…どこに行ったんだ…どうして居なくなったんだ!!」
伊「…Aはそんな簡単に居なくなる奴じゃねぇ。アイツは!絶対に生きてる!!」
伊「Aはアオコの代わりにこの任務に来たんだろ!?それなのに居なくなったらアオコが悲しむじゃねぇか!!そんなことAは絶対しない!!アイツは人が悲しむのが好きじゃねぇんだ!!」
炭「…そうだな。姉さんはきっと生きてる!!アオイさんが悲しむようなことはしない人だ!!」
炭「でも、どうして宇髄さんは“花街”から出ろって言ったんだろう…やっぱり俺たちが一番下の階級だから信用してもらえなかったのかな…」
伊「俺たちの階級“庚”だぞ。もう上がってる。下から四番目。」
炭「えっ?」
伊「階級を示せ。」グッ ズズ
炭(何それ…)
伊「藤の山で手ェこちょこちょされただろ?」
炭「こちょこちょされた覚えはあるけど疲れてたし……こういうことって知らなかった……」
伊「元気出せよ!」パムッ
炭「そうだ。こんな場合じゃないんだ、ゴメン。夜になったらすぐに伊之助のいる“荻元屋”へ行く。それまで待っててくれ。一人で動くのは危ない。」
炭「今日で俺のいる店も調べ終わるから。」
伊「何でだよ!俺のトコに鬼がいるって言ってんだから今から来いっつーの!!頭悪ィなテメーはホントに!!」
炭「ひがうよ。」
伊「あーーん!?」
炭「夜の間店の外は宇髄さんが見張っていただろ?」
ペッペム
炭「イタタタタ…でも姉さんと善逸が居なくなって伊之助の店の鬼も今は姿を隠してる。」ペムペッ
炭「イタタちょっ…ペムペムするのやめてくれ。建物の中に通路があるんじゃないかと思うんだよ。」
伊「通路?」
炭「そうだ。しかも店に出入りしてないということは、鬼は中で働いてる者の可能性が高い。」
炭「鬼が店で働いていたり巧妙に人間のふりをしていればいるほど、人を殺すのには慎重になる。バレないように。」
伊「そうか…殺人の後始末は手間が掛かる。血痕は簡単に消せねえしな。」
炭「ここは夜の街だ。鬼に都合がいいことも多いが、都合の悪いことも多い。夜は仕事をしなきゃならない。いないと不審に思われる。」
炭「俺は、善逸も宇髄さんの奥さんたちも、皆生きてると思う。もちろん姉さんも。そのつもりで行動する。必ず助け出す。」
炭「それでいいか?」
伊「……お前が言ったことは全部な、今俺が言おうとしてたことだぜ!!」
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ミー - 更新を毎回楽しみにしています!猗窩座が主人公を見て、あの方の…と言っていたので主人公との間に何かあるのかと気になっています! (2020年7月22日 21時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かの | 作成日時:2020年6月17日 0時