慈しい姉２

92 ページ42

蕨「おい、不細工。」

善「ヒェッ！な、なんですか…？」

蕨「アンタ、Aとどんな関係？どうして入りたてのお前がAと親しくしてるんだ。」

善「Aちゃんとは、ここに入る前からの、し、知り合い、です…」

蕨「アンタは、Aのことが好きなのかい？」

善「えっ！Aちゃんのこと！？そっ、それは…」

蕨「早く言いな。好きなのか、嫌いなのか、どっちなんだ。」

善「嫌いだなんて！！Aちゃんのことは好きですよ！！あんな可愛いくて優しい子のことを嫌いだなんて、ありえない！！」

蕨「あっそ。まあ確かにAのことが嫌いだなんてありえないけど。」

善「そうですよね！！Aちゃんって本当に天使か女神の類だと思うんです！！あんないい子が俺の近くにいるなんて！！ああ、もうほんと結婚したい！！」

蕨「五月蝿いね。アンタみたいな不細工がAこと話すんじゃないよ。それに、結婚なんてできるわけないだろう。アンタがAと結婚するなんて私が許さないし結婚する前にアンタを殺す。」

善「ヒィッ！！で、でも、俺は本気です！！Aちゃんが俺のことを選んでくれたら、俺はAちゃんと結婚するつもりです！！」

蕨「チッ…アンタのことはやっぱり嫌いだよ。アンタなんかがAと結婚できるわけないだろ。」

善「そっ、そんなことないと思います！！それに、あなたがとやかく言うことではないかと！！」

蕨「五月蝿い！！」ドガア

善「っ！！」

蕨(咄嗟に受け身をとったか…この反射神経…薄々そうかと思ってたが、コイツ鬼殺隊か。考えたくはなかったけどAも…)

蕨「チッ！！」





蕨「A。」

『蕨姫さん。どうかしましたか？』

蕨「あの不細工とは知り合いなのかい？」

『不細工？』

蕨「あの金髪だよ。」

『あっ、善子ちゃんのことですか！そうですよ。私がここに来る前に知り合ったんです。』

蕨「そう。Aはあの不細工のことが好き？」

『好きですよ？とっても優しい友達です！』

蕨「私よりも？」

『へ？』

蕨「私よりも、あの不細工のことが好き？」

『うーん…難しい質問ですね。私は蕨姫さんも善子ちゃんも同じくらい好きですから。』

蕨「同じくらい…か。」

『どうしてですか？何かあったんですか？』

蕨「ごめんね、A。」

『蕨姫さん？なんで謝って…』ドスッ

『っ！ど…して…』トサッ

蕨「…………大丈夫。アンタは安全な場所にいてもらうから。」

93→←91

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す