慈しい姉２ (ページ33)

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『お待たせ、炭治郎。“ヒノカミ神楽”について何かわかった？』

炭「それが…」

千「恐らくですが、“歴代炎柱の書”を父が破いてしまったみたいで、殆ど読めない状態に…」

『そう。それはしょうがないわね。』

千「あの…私が修復をしてみます。他の書も調べて、父にも聞いてみて。何かわかったら鴉を飛ばします。」

『いいの？ご迷惑ではない？』

千「そんな、迷惑だなんて…兄を助けてくださったお礼もしたいので、お気になさらないでください。」

『ありがとうね、千寿郎君。でも、無理はしないでね。』

千「はい！」

千「お話ができて良かった。気をつけてお帰りください。」

炭「いいえこちらこそ、ありがとうございました。」

『色々とお世話になりました。あっ、そうだ、千寿郎君。』

千「なんですか？」

『今度、煉獄さんのお見舞いに、お父さんと二人で行ってみたらどうかしら。』

千「父とですか？行きたがらないのでは…」

『そんなことないわ。千寿郎君から誘ったら、表情には出ないかもしれないけど、とっても喜ぶと思うわ。』

千「そうでしょうか…」

『大丈夫。それに、二人で行ったら煉獄さんも喜ぶわ。』

千「そう、ですね。父を誘ってみます！！」

『では、私たちは行きますね。今日はありがとうございました。』

千「お気をつけて！」

炭「そういえば、姉さんは煉獄さんのお父さんとなんの話をしてたの？」

『ああ、それはね……』

炭「……」ごくり

『秘密！！』

炭「なんで！？」

『あれは煉獄さんのお父さんと私の秘密のお話よ。』

炭「き、気になる…」

『まあ、来たるべき日が来たら、炭治郎にも教えることよ。』

炭「えっ、姉さんは“日の呼吸”について何か知ってるの！？」

『さあ？どうかしら。』

炭「姉さんの意地悪。」むすっ

(ごめんね。今はまだ言えないのよ。)

炭「ん？」

『あら、あれは…鋼鐵塚さん？』

鋼「刀を失くすとはどういう料簡だ貴様ァアアアア！！万死に値する…万死に値するゥ！！！」

炭「すみませんすみません！！」

鋼「ア゛アアア゛ア゛アアア！！！」

炭「もうほんとにごめんなさい！！」

『お、落ち着いてください！鋼鐵塚さん！！』

鋼鐵塚の怒りは収まらず、Aがみたらし団子を買ってくるまで追いかけっこは終わらなかった。