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『煉獄さんは、“日の呼吸”のことをどう思っていますか?』
槇「“日の呼吸”の使い手は、俺たちを馬鹿にしている!あれは、始まりの呼吸、一番初めに生まれた呼吸、最強の御技!そして、全ての呼吸は“日の呼吸”の派生!」
槇「全ての呼吸が“日の呼吸”の後追いだ!!“日の呼吸”の猿真似をし、劣化した呼吸だ!!火も水も風も全てが!!」
槇「お前たちは、“日の呼吸”の使い手だからって調子に乗っているんだろう!!」
『……本当にそう思っているのですか。“日の呼吸”が最強の御技だと。』
槇「当たり前だろう!!」
『…それは違います。確かに、日の呼吸を編み出した縁壱さんは凄いお方だった。あの方は、他の人とは違う、類稀な才能を持って生まれてきた。』
『でも、私は違います。炭治郎は分かりませんが、私は“日の呼吸”を完璧に使いこなせない。どれだけ最強の御技だとしても、使い手によって質は変わってきます。』
『煉獄さん…杏寿郎さんの炎の呼吸は素晴らしかった。技の一つ一つが洗練されていた。私の“日の呼吸よりも素晴らしい呼吸だった。』
槇「……」
『分かりますか、煉獄さん。どれだけ呼吸が優れていても、使い手次第で最強にも最弱にもなるんです。』
『だから、“日の呼吸”を使っているなら強いだなんてことはないんです。炎の呼吸だって素晴らしい呼吸じゃないですか。』
『ねぇ、煉獄さん。あなたが“日の呼吸”に対して劣等感を抱いた理由はわかりません。だから、劣等感なんて抱かなくていいなんて無責任なことは言えません。』
『でも、私から一つだけ言えることがあります。』
『一番素晴らしいことは、縁壱さんの教えから炎の呼吸を編み出した煉獄さんのご先祖様と、それを代々絶やさず繋ぎ、鬼殺隊のために戦ってきた煉獄家の皆さんなのではないですか?』
槇「!!」
『どんな呼吸も、劣化ではないんですよ。だからね、もっと自信を持って、堂々と生きればいいんです。』
『すぐにじゃなくていい。いつか、自分の呼吸に誇りを持って、受け継いできた自分や息子に誇りを持てればいいと思います。』
槇「ああ…」
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『そうだ!杏寿郎さんのお見舞いに行ってあげてください!!』
槇「今までろくに世話をしてこなかった俺が行ってもいいのだろうか…」
『きっと大丈夫ですよ!杏寿郎さん、喜ぶと思います!』
槇「……行ってみる。」
『是非!!』
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ミー - 更新を毎回楽しみにしています!猗窩座が主人公を見て、あの方の…と言っていたので主人公との間に何かあるのかと気になっています! (2020年7月22日 21時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かの | 作成日時:2020年6月17日 0時