慈しい姉２

68 ページ18

炭「姉さん！！伊之助！！もうすぐ打ち直してもらった日輪刀がくるって！」

伊「ほんとか！？」

炭「うん！今カラスに聞いた！！」

『あら。鋼鐵塚さんが来るのね。』



炭「急げ急げ！！」

伊「ヤッフーーー！！」



炭「鋼鐵塚さん！！おーい！！おーいおーい！！鋼鐵塚さーん！！ご無沙汰してまーす！！お元気でしたー…か…」

ダダダダ

炭「ギャアアッ！！」

炭「はっはが…」

鋼「よくも折ったな俺の刀を！！よくもよくもォオ！！」

炭「すみません！！でも本当にあのっ…俺も本当に死にそうだったし…相手も凄く強くって…」

鋼「違うな関係あるもんかお前が悪い！！全部お前のせい！！お前が貧弱だから刀が折れたんだ！！そうじゃなきゃ俺の刀が折れるもんか！！殺してやるーーー！！」

『あ、鋼鐵塚さん。いらっしゃっていたんですね。すみません…私が不甲斐ないばかりに大切な刀が刃こぼれしてしまって…』

『そうだ！！今日もみたらし団子があるんです。食べませんか？』

鋼「………食べる。」

『よかったです！！準備してきますね。屋敷の中に入っていてください。』

伊「A！！俺のもあるのか！？」

『もちろんあるわよ、伊之助君。待っててね。』

炭(鋼鐵塚さんが大人しくなった…姉さんがきてくれてよかった…)





鉄「まぁ鋼鐵塚さんは情熱的な人ですからね。人一倍刀を愛していらっしゃる。しかし、そんな鋼鐵塚さんが言うことを聞く方がいたとは…あ、私は鉄穴森と申します。」

鋼「………」もぐもぐ

鉄「伊之助殿の刀を打たせて頂きました。戦いのお役に立てれば幸いです。」

『伊之助君の刀はどんな色になるのかしらね。』なでなで

炭(どうして姉さんは鋼鐵塚さんに膝枕をして、頭を撫でているんだろう…)

鉄「ああ綺麗ですね。藍鼠色が鈍く光る。渋い色だ。刀らしい良い色だ。」

炭「よかったな。伊之助の刀は刃こぼれが酷かったから…」

鉄「握り心地はどうでしょうか。実は私、二刀流の方に刀を作るのが初めてでして…」コクコク

トコトコ

鉄「？伊之助殿？」

ガチーン ガチーン

『い、伊之助君！？』

伊「よし！」

鉄「ぶっ殺してやるこの糞餓鬼！！」

炭「すみませんすみません！！」

『だめよ！伊之助君！！せっかく作って頂いた刀をそんな風に扱っちゃ！！』





『今日は本当にすみませんでした。』

炭「すみません。」

鋼「またみたらし団子食わせろよ。鉄穴森は連れて帰る。」

『もちろんです！ありがとうございます。』

69→←67

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す