62 ページ12
それから、二人は苦戦しながらも、着々と全集中の呼吸を一日中できるようになっていった。
ー十五日後ー
(かなり体力が戻ってきたわ。この調子で頑張らないと。ゆっくり…瞑想をして集中力を高める。)ヒュウウウ
(早く強くなって、十二鬼月に勝てるようにならないと。この前十二鬼月と戦ったのに血を採れなかったから、猫ちゃんが責めるように見ていたし…はっ!!呼吸に集中しないと!)
胡「もしもし」
炭『「ハイッ!?」』
胡「頑張ってますね。お友達二人はどこかへ行ってしまったのに。」
胡「二人だけで寂しくないですか?」
炭「いえ!姉さんもいるし、できるようになったらやり方教えてあげられるので!」
『私たちがコツを掴んで、二人に教えるんです。教えてもらったほうが、上達も早いでしょうし。』
胡「……君たちは心が綺麗ですね。」
炭『「……」』
胡「……」
炭「………あの、どうして俺たちをここへ連れて来てくれたんですか?」
胡「禰豆子さんの存在は公認となりましたし、君たちは怪我も酷かったですしね。」
胡「それから……君たちには私の夢を託そうと思って。」
『夢…ですか?』
胡「そう。鬼と仲良くする夢です。きっと君たちならできますから。」
炭「怒ってますか?」
『たしかに、なんだかいつも怒っている感じがします。ずっと笑顔ですけど…』
胡「そう…そうですね。私は、いつも怒っているかもしれない。」
胡「鬼に最愛の姉が殺されそうになった時から、鬼に大切な人を奪われた人々の涙を見る度に、絶望の叫びを聞く度に、私の中には怒りが蓄積され続け膨らんでいく。」
胡「体の一番深い所に、どうしようもない嫌悪感がある。他の柱たちもきっと似たようなものです。」
胡「まぁ、今回彼らも人を喰ったことがない禰豆子さんを直接見て、気配は覚えたでしょうし、お館様の意向もあり、誰も手出しすることはないと思いますが。」
胡「…私の姉も、君たちのように優しい人です。」
胡「鬼に同情して、自分が死にかけているのに、鬼を哀れんで…」
胡「私はそんなふうに思えなかった。人を殺しておいて可哀想?そんな馬鹿な話はないです。」
胡「でもそれが、姉の想いならば、私が継がなければ。哀れな鬼を斬らなくてすむ方法があるなら考え続けなければ。」
胡「姉が好きだと言っている笑顔を絶やすことなく。」
193人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミー - 更新を毎回楽しみにしています!猗窩座が主人公を見て、あの方の…と言っていたので主人公との間に何かあるのかと気になっています! (2020年7月22日 21時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かの | 作成日時:2020年6月17日 0時