復讐少年？ (ページ48)

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四十四夜ページ48

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バラバラと動き出す

一人帰り支度をしていると

｢夜永｣

轟が話しかけてきた

｢なんだ？｣

思わず首を傾げてしまう

｢……一緒に、帰らないか｣

｢え、あ。おう！｣

予想の斜め上からの言葉にらしくもなくびっくりした

｢夜永くん轟くんまたね！｣

緑谷は麗日さんと教室を出ていく

鞄のチャックを締め、肩にかける

｢そんじゃ、帰ろーぜ｣

轟の隣に立ち、教室を出た

｢なんかあいつら最近仲いいな｣
｢男の友情ってやつだろ！｣

切島と上鳴がそんな会話をして、爆豪は俺の方を睨むようにして見ているのに気が付かなかった

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昇降口に出て靴を履く

トントン、と爪先を立てる

｢あ、轟｣

前に立っている轟に話しかける

｢？｣

こちらを向く轟

｢2位、おめでとう｣

と言えば何故か真顔のままで

｢悪い、嫌だったか？｣

と返せば何故か首を横に振るう

｢……その、言葉にしずれえ｣

眉を寄せる

｢ま、そうこともあるだろ｣

行こう、と一言つけて校門へ向かう

何も言わずに轟も来る

校門も出て少し経ち、交差点になる

｢俺、ここ右なんだ｣

そう言って止まる

｢そうか｣

どうやら轟は進むらしく、赤信号から変わるのを待っている

｢じゃあな、明々後日学校で｣

別れの挨拶をして体の方向を変える

｢夜永…！｣

轟に呼び止められる

ビクッと体が強張ってしまう

｢俺、ちゃんと『個性(これ)』に向き合うことにした｣

火傷のあとを左手で触れる

｢キッカケは緑谷だ。だけど、お前が『友達』って言ってくれて。なんかこう。…わからねえけど、響いた。駄目だと思った｣

一つ一つ、少し時間をかけながら轟が話す

せっかく青に変わった信号はまた赤になる

｢…ありがとう｣

こちらを真っ直ぐと俺の目を見て

伝えてきた

｢実は俺、聞いちまったんだ。轟と緑谷の話｣

と言うと

｢わかってた｣

え、と間抜けた声がでてしまう

｢だからわざとスタンド側に出た｣

冷や汗が出そうだ

｢……聞くつもりはなかった。悪い｣

｢別にいい、夜永に知られるぐらい｣

轟が言うと信号が変わってたのか歩き出す

俺はその後ろ姿を見送ることしかできなかった

｢(また、心臓が苦しい)｣

早足で帰る

きっと頬が暑いのは、夏が近づいているからだ

．

｢ふーん、相変わらずだね。あの子｣

｢そーなんですか？あなたの話とかなり違うと思います｣

花宮香苗がとあるビルの屋上からAを見る

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