復讐少年？ (ページ44)

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四十夜ページ44

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決勝に近づいてきた

轟対夜永
飯田対音山
爆豪対切島
常闇対川岸

トーナメント表をぼーと見上げる

あ、負けたな、と何故思った

｢(轟とか勝てる気しねえよ、まあ本気でやらば勝てそうだけど。会場が瓦礫になる)｣

轟は、緑谷の試合でどこか顔立ちが変わった

話しかけづらくて、あえてなにも話さなかい

と思ってた

｢…夜永、俺は負けるつもりなんてない｣

｢おう、俺も手なんか抜かねえよ｣

｢…………ありがとう｣

ふ、と微笑む

｢轟｣

｢？なんだ｣

｢呼んでみただけだ｣

なんだそれ、と言って笑う

俺もつられて笑う

｢(なんでだろ、心？があたたかい)｣

少年はその意味を知らない

いや、忘れてしまったのだ

｢え、何あれホm｢そんなわけないでしょ｣

応援席で峰田と蛙吹がそんな会話をしてるなんて俺達は全く知らない

✱

｢轟対夜永！！準備はいいなぁ？そんじゃまあ…START！！！｣

始まると同時に寒気を覚える

目の前に迫る氷の壁

｢はは、いきなりかよ｣

ぐっ、と力を込めて左腕を振る

バァァァアァァンと音を立てて氷が崩れる

そのまま一気に轟へ近づこうとする

が、さすがといおう

氷の追撃

｢っつめてぇ…！｣

ギリギリで避けるもその冷気は身体を震わせるのには十分だ

なんとか、体制を立て直そうと着地するものの

足下まで氷が張ってある

しかたない

ブワッと風を起こし体を浮かせる

｢Wow！そんなんとできんのか！｣

プレゼントマイクの声とともに会場は熱気を増す

なぜか、そんなの耳に届かなかった

今、俺に届いているとするなら

轟の声と、風の音

｢(どうする、か)｣

考えながら体を動かす

｢っ｣

轟がまた氷柱を俺に放つ

それを反射で避けながらいい位置を保つ

｢(なかなか当たんねえ)｣

と轟も思いながらも最低限の攻撃をする

するとAは地面に降りた

この好機を逃すまいと攻撃を重ねる轟

｢…すぅー…はぁー…｣

深呼吸をして、目を静かに開ける

ブオオオオォと自身の周りに風を起こす

俺を中心に、竜巻を起こした

その勢いのまま轟は押し出される

そのまま場外へ、とはならなかった

氷で土台を作りそれを踏んで耐える

｢やっぱそう上手くいくやけないよな｣

少し汗をかきながらに、と笑う

｢すげえ…危なかった｣

顔をあげ、また氷で攻撃をしてくる

両者は睨みあっているが口角をあげる

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