復讐少年？ (ページ42)

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三十八夜ページ42

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手を地面につけたと思ったら、そこから普通じゃ考えれないほどでかい花が現れる

｢光合成っ｣

彼女がそう花に言えば

花は太陽の方へ花弁を向ける

どこか花が光り輝いてるように見える

｢(でかすぎだろ、きもちわりい)｣

かまいたちをおこして花を切り倒そうとした

はずだった

体に毒が回ってしまったのか、うまく動かない

｢おっもいな…くそっ｣

腕を振るが勢いが足らない

かまいたちが起きるものの、距離が足りない

花はその間も輝きを増す

どくん

どくん

心臓の鼓動が聞こえる

どくん

ど、くん

｢(ここで、負けちまうか)｣

少しの悔しさと虚しさが心にこだまする

はは、と自傷的に笑う

｢夜永！！！てめえそんなモブに負けてんじゃねえ！！！｣

爆豪の叫びが耳に聞こえる

なんとか首をそちらにむける

BOOOMと両手を爆発させながらこちらをひどく睨んでいる

｢お前なんかに、言われなくても…わかってるわっ…！｣

何故かその言葉に励まされた

不思議と体が軽くなる

｢なんで、立てるの！？…でもさすがだよ(人1くん！惚れ直しちゃう！……だけど、もう手遅れかな！｣

彼女がそう言うと花は俺の方を向く

ﾁﾁﾁ…と音を立てながらエネルギー弾みたいなものを感じるの

｢(友達に励まされて、頑張るか、とか)｣

｢バカみてぇだな｣

ふ、と笑う

体に力を入れる

足を動かす

血はもう止まった

｢っ！？｣

気がつけば、という言葉があるがまさにそれだった

会場の誰もが彼女の前に彼がいるとは思わなかった

いや『早すぎて気が付かなかった』が正しいのかもしれない

｢悪いな、勝って。進まなきゃいけないんだ｣

その時、彼女だけが見た

夜永Aの瞳が朱く光っているのを

だがそれはきっと気のせい、のレベルで終わるほど一瞬だった

｢ええ？！夜永早くね！？｣

彼女の寸前手前で両手を叩く

ブワッ、と風が彼女の体を押す

判断が追いついてない彼女はそのまま場外へ

｢勝者夜永くんっ！｣

ミッドナイトの声が響く

その声と同時に膝から崩れる

｢っ…はぁ、はぁ｣

毒がまだ抜けきれてないのだろう

嘘みたいに今度は体が重い

｢いったた｣

花宮が起き上がる

｢あは、夜永くんはやっぱりすごいなぁ。毒、あと10分くらいで抜けると思うよ｣

彼女がそう教えてくれた

少ししたら次のトーナメントが始まる

俺は保健室へと行き、足の傷を直した

次の相手は、

『轟焦凍』

なんとも言えない気持ちが渦巻いた

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