復讐少年？ (ページ21)

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十八夜ページ21

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敵が緩んだのを利用してオールマイトは抜け出す

緊張感が一同に走る

その空気を破ったのは敵の男だった

｢…………。こりゃあ…ピンチだなあ…｣

なんとも気だるけな感じで爆豪に捕らえられた霧男を見る

｢ぬぅっ…｣

霧男はなんとか逃げようとするが爆豪が隙を見せない

｢『怪しい動きをした』と俺が判断したらすぐ爆破さる！！｣

｢(いや、それヒーローがいうセリフかよ)｣

思わず内心でツッコむが切島は口に出してツッコんだ

｢…脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入り口の奪還だ｣

そう言った途端、脳無と呼ばれた化物は

氷で固まった体の部位をいとも容易く捨て、動き出した

｢(ほんときめえな)｣

なくなっていた部位の体が再生していく

｢なんだ！？ショック吸収の『個性』じゃないのか！？｣

オールマイトでさえ相手の化物っぷりに驚く

｢別にそれだけとは言ってないだろ？これは『超再生』だな｣

再生したらこちらに襲い掛かってくる敵

ものすごい速さで爆豪の方へ進む

それに反応したのはオールマイト

そして多分俺だけだ

拳の勢いでまるで竜巻みたいな風が起きる

この距離では踏ん張るので精一杯だ

｢かっちゃん！？｣

いつの間にか緑谷の隣に爆豪がいた

さっきまであの霧男を抑えていたはずなのに

風が止む頃に気がついた

オールマイトが爆豪を庇ったのだと

｢…………加減を知らんのか…｣

と言えば口から吐血する

あんなの爆豪が食らっていたら、目も当てられないことになっていただろう

｢…っ｣

息を呑む緑谷

無理もない、あんな化物俺らじゃ太刀打ち出来無い

｢仲間を助ける為さ、しかたないだろ？さっきだってホラそこの…あー……｣

すっ、と緑谷を指差す

｢地味なやつ。あいつが俺を思いっきり殴りかかろうとしたぜ？｣

くくく、と喉奥で笑うような声で語る

｢俺はなオールマイト！怒ってるんだ！同じ暴力がヒーローと敵でカテゴライズされ、良し悪しが決まる、この世の中に！｣

論する男は両の手を広げる

｢何が平和の象徴！所詮制圧の為の暴力装置だおまえは！暴力は暴力しか生まないのだと、おまえを殺すことで世に知らしめるのさ！｣

誰もがその言葉に飲まれかけていた

だが一人の少年は違った

｢(ほんと、堪んないなぁ。弔さんのそういうところ。嗚呼、面白い)｣

一瞬だけ少年の瞳が朱く染まる

誰もが敵を見ているから俺に気が付かない

それを見たのは敵の男だけ、ニタ…と笑みを浮かべる

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