復讐少年？ (ページ20)

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十七夜ページ20

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｢それより、他の奴らはどうなったんだ？｣

周りを見渡すが自分と轟以外に生徒が見当たらない

｢逃げ切れたか、他の所だろ｣

立ち上がり敵を横目に答える轟

｢(……………背高かいな)｣

あまり気が付かなかった身長差に少し驚きながらも散策をすることとする

｢あ、あの…｣

何もないところから人の声がする

｢(新手の敵か？いや、そんなことはないだろう)｣

ってことは

一人の生徒が脳内に浮かぶ

｢…葉隠さん？｣

｢そうそう！名前覚えててくれたんだね、うれしいよ！二人ともかっこよかった！｣

見えないがぴょんぴょん飛び跳ねているような気がする

｢とりあえず、移動するか｣

｢そうだな｣

敵は当分動けない程度にしたし、相澤先生の方が心配だ

✱

移動中にもちらほらとチンピラ敵が襲ってきたが俺と轟に瞬殺されていく

遠くからオールマイトが敵に圧されている様子が伺え

｢(絶体絶命ってやつだな)｣

すると次の瞬間緑谷がオールマイトの方へ走っていく

それを見て俺と轟は走り出す

ただ走るわけじゃない、轟は氷を滑るようにしてスピードをあげ
俺は摩擦による抵抗をなくすために1㎝ほど体を浮かせ、追風を背中に送って走る

通常じゃありえないスピードでかけてゆく

｢(葉隠さん悪い、置いていく)｣

内心謝りながらオールマイトと緑谷の元へ急ぐ

そこまで遠くはない、だがそんな悠長なことをいう暇はない

｢夜永、あのもやみてえの頼む｣

｢なら轟はあの化物な｣

あぁ、と二つ返事で攻撃対象は決まる

｢(ごめん弔さん、『ヒーロー志望の生徒』だから)｣

緑谷に迫る黒いもや、いやもう霧と呼ぼう

その霧と緑谷を引き剥がすように、先刻とは比べ物にならない勢いをつけて

今度は腕を振り下げた

ビュオオォォォオォという凄まじい風と共に霧が散り、敵の本体が露わになる

すると緑谷の背後から爆豪が飛び出してきた

霧の本体を抑えた爆豪

それの直後に化物の半身を轟が氷で固めた

｢だぁー！！｣

追撃で切島が不気味な男の背後へ周り攻撃を仕掛けるが容易く避けられる

｢平和の象徴はてめぇら如きに殺られねえよ｣

轟を含めた数人が彼を睨む

こちらを睨み返すふりをして俺に

『どうして攻撃した』と言わんばかりの目をしている

｢(はは、弔さん怒らないでよ。仕方ないじゃないか。今回は俺がいなかったとしてもゲームオーバーだった。)｣

静かにこの思いを相手に向ける

彼は馬鹿じゃない、むしろ良い方だろう

わかってくれるはずだ

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