復讐少年？ (ページ12)

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十夜ページ12

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｢夜永A、よろしく｣

軽く自己紹介をすれば、相手はあぁ！と手を叩く

｢昨日入ってきた人だよね。私麗日お茶子よろしくね！｣

ニコッと笑えば花が咲いたようだ

｢(……俺もこうなってたのか)｣

頭の隅で有りもしないことを考える

｢夜永くんよろしくね、僕緑谷出久！｣

｢あぁ、よろしくな｣

そんなやり取りをしながらゆっくりだが食堂へ向かった

✱

トレイにのった食べ物を持って食堂の席に着く

適当に頼んだカツ丼をを食べる

｢(いつかなぁ…、)｣

などと思いながら3人の会話を聞く

｢飯田くんて坊っちゃん！？｣

｢それがいやで一人称を変えていたんだが…｣

へー、と頷きながらカツと飯を頬張る

｢(美味い)｣

飯田の坊っちゃん疑惑により緑谷と麗日さんはガン見している

見られながら食事を取る飯田は食べづらそうだ

｢ああ、俺の家は代々ヒーロー一家なんだ。僕はその次男だよ｣

｢(ヒーローの弟、か)｣

まあヒーロー志望が集う学校だ、そんな奴もいるだろうとは思っていたが

悲しなぁ、とまた一口含んで噛む

｢夜永くんは………｣

そう緑谷が自分に話しかけた時だ

ジリリりりりりりりリリリ

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください』

警報が鳴ったあと、そんなアナウンスが流れる

｢セキュリティ3でなんですか？｣

慌てだす他の生徒に飯田は質問する

｢校舎内に誰か侵入してきたってことだよ！三年間でこんなの初めてだ！！君らも早く！！｣

言葉を聞く限り先輩であろう人も慌てて避難しようとする

｢(やったんだね、弔さん)｣

対処に悩むふりをして口元を手で抑える

｢クックク…｣

食堂からあわてふためいて逃げる人々を見て小さく笑う

あっはは、これが最高峰の人間がすることかよ

｢(されど人ってか)｣

飯田と緑谷、麗日さんと一緒に避難路へと向かう、が

皆がパニック状態だ

人混みに流されるふりをして、個性を発動する

体に風を纏い、空中に浮く

生徒達は無我夢中で俺の存在に気が付かない

さて、何処に避難しようか。人混みは嫌いなんだよ

有意義に少し上から眺める

｢ははっ(虫けらみたいだ)｣

少年は一人騒ぎに紛れて喉奥で笑う

｢俺を…浮かせろ麗日くん！｣

そんな飯田の呼び声が聞こえる
興味本位に様子を見ることにした

すると少女の個性により浮く少年
自分の個性を使って宙を飛び、標識のような形で壁に張り付き

｢大丈ー夫！！｣

と叫んだ

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