国見くんのカノジョ【金田一勇太郎】 (ページ9)

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8.本当にいい人ページ9

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笹沼side

やっと、あのいい人ぶってる金田一くんの化けの皮がはがれたと思った。
なのに、胸が痛くて苦しい。

“俺にもう関わらないで”

そう言われたのがショックだった。
いや、そう言われても仕方のない事を言ったのは私だ。
昔から外見と外面の良さでモテた。
なのに…ずっと好きだった人には…好きになってもらえなかった。

なんだかんだ皆、可愛い人・綺麗な人・カッコイイ人が好きなくせに
言い訳して性格が良い人がいいとか建前を言う。
見た目に自信がない人ほど、良い人ぶる。
裏では何を考えているかわからない。
ずっとそう思って生きてきた。
金田一くんに出会うまでは…。

きっとあの人は本当に優しい人だったんだ。
本当に心の綺麗な人だった。
その人に拒絶されてしまった。
今さら気付いても遅いけど
ひねくれてた私に、素直に接してくれていた彼のことが好きになっていたのに。

「もう、終わりだな…まぁいいや。別にもう…」

会いたいな。話したいな。
憎まれ口を叩いても動じなかった彼があんな顔をした。
きっと一番言ってはいけない事を私は彼に言った。