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32.二組のカップル ページ33

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「金田一くん一緒にかえろー!」



ちょうど今日は部活がない日。
笹沼さんは5組へやって来た。



「え?!どうしたの?」



中村が驚いてこっちを見る。



『あ〜、なんかいろいろあったけど付き合うことになったんだ』




俺は小声で中村に耳打ちする。




「やるね〜金田一!よかったね」




満面の笑みで喜んでくれる中村。
中村にも色々世話になったな。
そこへ国見もやってきた。



-------------



笹沼side



「国見くん、あの…」



私が話しかけたとき、それを遮るように。



「よかったな」



そう言ってくれた。



「何…そんなに驚いてるの?俺、結構前から笹沼のこと認めてたけど」




最初の印象は大人しいイケメン。
関わってからは、無愛想で、色々見透かしている感じが怖くて。
苦手だったけど今は…。




「やっと国見くんと友達になれそう」

「俺はお前なんか友達だなんて思ってないからな」

「うわっ!やっぱりムカつく!てか認めたって何様!?
国見くんの許可がないと金田一くんと付き合えないわけ!?」




『ちょっと…二人ともやめて…』

「英、帰るよ!」



呆れ顔で、金田一くんと中村さんが見てる。



帰り道。
二人で歩くのは、二回目だ。
でも今日からは…まったく違う関係。



『あのさ、もう気を使ったりしないでよ。素のままの笹沼さんでいいよ』



金田一くんは本当に優しい。



「じゃあ!」



私は金田一くんの手を握った。



「手繋いで歩きたい!」



金田一くんは、真っ赤だ。




「あと、Aって呼んでよ!!」

『わかった…A…ちゃん』




最初はこんな風になるなんて思ってなかった。
人を本気で好きになれるとも思ってなかった。
でも、金田一くんだけは特別だ。
誰よりも素敵な人。



「勇太郎くん!好きだよ!」



初めて名前で呼んでみる。
顔を覗き込むと、やっぱり照れている。



『俺も……』








好きだって言ってもらえるのは、まだまだ先になりそうな気がするけどね。




----- end -----

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作者名: | 作成日時:2018年3月23日 16時

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