25.好き過ぎて ページ26
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練習試合の日。
なんか…結局笹沼さん、あんまり試合見てなかったみたいだな。
無理に誘っちゃったかな。
俺は無意識に2組の方へ足が向いていた。
『笹沼さん、試合の時はどうもね。もしかして、あんまり面白くなかった?』
「そんなこと…ないよ。凄かったよ…」
『そっか。なんか無理に誘っちゃったかなって気になってたんだ。
もし興味あったらまた応援に来てよ』
喋っていると、視線を感じた。
2組の女の子…笹沼さんとよく一緒にいる女の子がこっちを見ている。
ジャマだったかな。
俺が自分の教室へ戻ろうと踵を返すと
さっき俺たちに視線を向けていた女の子が駆け寄ってきた。
「あの!金田一くん…ですよね?
Aちゃんにもう近づかないでくれませんか!」
『え??な、なんで?迷惑だったかな』
「迷惑です!付き合う気がないなら思わせぶりはやめてください!」
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笹沼side
ちょっと!!澪ちゃんてば何言ってるの…
確かに恋愛の話はしてたけど…まさか金田一くんに直接そんな事言うなんて。
「澪ちゃん、まって!」
金田一くんに詰め寄る澪ちゃんを止める。
『笹沼さん、なんかごめんね』
申し訳なさそうに笑って、その場を去ろうとする金田一くん。
違う…そうじゃなくて…。
金田一くんのこと、避けてるわけでもなく嫌いなわけでもなく…
本当はもっと自然に話したいの。
ありのままの自分で接したい。
けど……今まで、嫌なことしてきたし
嫌な部分ばっかり見られてきたし
他の人には、素で接することができるようになったのに
金田一くんにはそれが出来なかっただけ…。
「あの、違うの…本当は…」
ねえ、いいのかな?金田一くんに本当の気持ち、伝えても。
困らせるのが一番嫌なの。
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作者名:茜 | 作成日時:2018年3月23日 16時