2.魔の手 ページ3
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「金田一くん、これ国見くんに渡してもらえない?」
部活へ向かう途中。知らない女子に話しかけられた。
女の子らしいラッピングのプレゼントのようなもの。
国見のファンか。
国見は面倒くさがってこういう女子を無視することが多いから
以前はこんなこと、よくあったし俺も特に気にせずに引き受けてた。
けど、今は。
『ああ、ごめん。国見彼女できたからさ…もうこういうの渡せないよ』
俺が断ると、彼女は表情ひとつ変えない。
「知ってる」
彼女はむしろ、笑みを浮かべていた。
「正直国見くん、最初は興味なかったけど…
国見くんが彼女できたの知って気になったんだもん」
『え、それどういうこと?』
「国見くんの彼女、たいしたことないじゃん。
奪えそうだなって思って」
そういう彼女は確かに可愛い。
美人系ではなくて、あどけなさの残る可愛い系。
『たいしたことないって…なんでわかるの?』
「えー?可愛くないじゃん。中村さんだっけ?金田一くん同じクラスの」
『顔で選んだんじゃないと思うよ』
中村はいい奴。俺だって友達だから知ってる。
「でも結局可愛い子の方がいいじゃん。金田一くんだってそうでしょ」
…。いや、そりゃあそうだけど…
この子、性格悪すぎじゃないか??
『なんて言われても…俺からは渡せないよ』
俺がきっぱり断ると、彼女はかなり不機嫌そうな顔になった。
「後悔してもしらないからね」
そう言って去っていった。
な、なんなんだよ。
女って…こえぇ…!!!
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作者名:茜 | 作成日時:2018年3月23日 16時