15.素顔 ページ16
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笹沼side
酷いことをしたのに、そんな事関係なく私のことをかばってくれた。
呆れるくらいの、お人良し。
そんな金田一くんのことがやっぱり好きだ。
少しずつ…通常の学校生活が戻っていく。
女子も男子も、態度もちょっと変わった。
皆…前より自然に話せてる気がする。
色々あってから仲良くなったクラスメイト・澪ちゃんは
雰囲気はかわいいけどちょっと地味な女の子。
「澪ちゃん…髪の毛ぼさぼさなんだけど。ちゃんとセットしてから来なよ」
「え〜。だって面倒くさいもん…」
「ダメだよ!」
私は彼女の髪の毛を梳きながら、ヘアゴムでまとめる。
「Aちゃん、こういうの上手だよね」
「澪ちゃんがズボラすぎなの!こんなんじゃ彼氏できないよ!」
「ふふ…毒舌〜」
素のままで話すのは、嫌われる可能性もあるけど
本当の自分を好きになってもらえるってことでもあるんだ。
「なぁ…笹沼。いつかはごめんな」
私に告ってきて、本性を見せた後に態度を変えた男。
そいつでさえも、普通に謝って来て、仲良くしてくれてる。
「いやいや、私が悪いんだし。あんたもこんな性格の女より
もっと性格いい子探しなよ!」
笑ってそう言うと、彼は真剣な表情になる。
「あのさ…また怒られっかもしれねーけど…
俺やっぱお前がいいんだよな」
「あはは、悪趣味」
「いやマジでさ…」
笑って誤魔化せないな。もう、これからは。
「私、好きな人がいるんだよね」
これから断る時は、ちゃんと言おうと決めていた。
「それって、5組の金田一?」
「あはは、当たり。まぁ〜叶わぬ恋だけどね」
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作者名:茜 | 作成日時:2018年3月23日 16時