10.本当の気持ちと本当の自分 ページ11
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笹沼side
「あ……いや別に…かえって迷惑かけちゃったかな」
申し訳なさそうに笑う、彼女。
彼女は……金田一くんに似ている。
本当に良い子で、純粋で、裏表なんてなくて。
正義感で溢れてる。
今までそういう人が苦手だった。
どこか信じられなかった。
「あっ………そう言えば、笹沼さんて英のこと…
国見のこと、好きなの？」
今さらな質問に、吹き出してしまった。
「あ、あはは。そんなわけないよ。ってか中村さん彼女なのにそんなこと気にしてるの？」
「え…だって笹沼さん……可愛いし………不安だもん」
ほんとに、純粋な子なんだな。
私みたいな性悪……国見くんみたいな敏感な人が好きになるわけないのにね。
彼女が純粋過ぎて、私もペースに巻き込まれてしまう。
「私ね、金田一くんが好きなの。今までいろいろ酷いことしてきたけど。
それなのに私のこと、嫌わないで接してくれて……そんなところが好きになっちゃったの」
中村さんは真っ赤になって私の話を聞いてる。
「まぁでも結局嫌われて関わらないでって言われちゃったけどね…」
あれ………なんだか、目が熱い。
中村さんに思いを話したら……涙が流れてしまった。
「き、金田一は！わかってくれるよ、いいやつだから！話せばきっと……」
中村さんはそう言ってくれたけど。
「たぶん、ダメだよ。でも、ありがとう。
中村さんと話せてよかった」
もう私と関わらない方がいい。
金田一くんは、本当に優しい人だから。
彼に相応しいいい人は沢山いる。
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作者名：茜
| 作成日時：2018年3月23日 16時
