私202 ページ22
肩で息をしながら、私は握られていた手を握り返した。
それはもう、強く。咎める意を表明するかのように。
「…駄目、だから」
息を吐きながら、繰り返す。
SARUは、戸惑いの色を目に浮かべていた。
その涙の跡も、自分のせいであるものだって分かってるから、だから余計に苦しい。
言わないで。
それ以上、言わないで。
「…それ以上言うと、きっと双方が後悔する。
どういうつもりなのか分からなくさせるようなこと、言わないで」
お願いだから、期待させるような事を言わないで。
より的確な言葉は、喉に張り付いて出なかった。
「…っ、それでも、僕にとっては＿＿＿」
「駄目だって言ってるでしょ!!!
…今のSARUには、普通に生きる権利があるんだよ。
むしろ、やっと与えられたの…捨てるような真似、しないでよ」
ようやく息を整える事ができ、少しだけ落ち着きを取り戻した。
と、思った瞬間、彼の得意な爆弾投下。
「Aは…僕の事嫌いなの?」
そう言われて、勢いよくそっちを振り向く。
と、そこには、少し涙目のSARUが。
体制的にどうあがいても上目使い。
それ＋赤面&涙目。
それでも、口元にはほんの少しだけ笑みが浮かんでいた。
…あぁ…
わざとやってるって分かってるのに…!!
想像だけでも可愛かったんだ、実物が可愛くないなんてそんな訳はなかった。
つまりあれだ、くっそ可愛いなちくしょう!!
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ(プロフ) - オイルさん» わわわ、ありがたきお言葉です……!!これからもぜひきなこちゃんを宜しくお願いします(???)閲覧ありがとうございますございました!! (2017年6月4日 15時) (
レス) id: 97e5d48f91 (このIDを非表示/違反報告)
オイル(プロフ) - もともと黄名子ちゃん好きだったんですけど、もっともっと好きになりました！良作ありがとうございましたヽ(*´∀｀)ノ (2017年6月3日 16時) (レス) id: ec436469f8 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 月華の音姫・マカ@ボド見さん» 神様でも照美様でもございませぬ(-ω-) 閲覧ありがとうございます!!どんどん惚れてください彼は尊いですよ!!!こんな作品でも癒すことができたなら嬉しいです…!! (2016年9月11日 23時) (レス) id: 50725f9a58 (このIDを非表示/違反報告)
月華の音姫・マカ@ボド見(プロフ) - 神ですか？もしくは照美ですか？すごく面白いデス！一瞬でSARUに惚れました！現実に疲れていた私を癒してくれてありがとうございます！m(ーωー)m (2016年9月10日 19時) (レス) id: 100762d4dd (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 影魔@幽谷さんと雅野ちゃんが可愛すぎるのですが。さん» ひええええ身にあまりますｳｳｳｳｳきなこちゃん好きな人が増えてくださってこちらとしても感無量でして(嬉し泣き)そしてそこ2人にもハマっていただけるなんて!!!未来組尊いですよ!!沼へどうぞ!!(積極的に沼にはめていくスタイル) コメントありがとうございました!! (2016年6月10日 22時) (レス) id: 50725f9a58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
