あるコンビニ店員の独白。 ページ4
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この話をする上で俺の身元なんてものは本当にいらなくて、知りたくもないと思うんだけど。
え？まあなんで話すかって言われても困るんだけどさ。んー、バイトしたことある人は分かると思うんだけど、よく来る人って名前も知らないのに(またあのおにぎり買ってる)とか、(このアニメ好きなんだろうな)とか勝手にキャラ付けするよな。そう、そのキャラ付けにおいてその人は「一方的に好きな人」ってカンジだったわけ。
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「わたしもその曲、歌っちゃうんですよね」
耳に残りません？、その人が俺に声をかけたのは俺がめっちゃイケメンだったからってことでもなくスタイルが良かったわけでもない。ただコンビニの店員が歌を口ずさみながら客に気付かず、座り込んで商品整理をしていたからだ。あっレジ。
急いでカウンターに回り込むと下にあった丸カンゴミ箱を蹴り飛ばした。いってえ、くそ、はずいわ、頭の中でぐるぐると感情が回って顔に血が集まるのを自分で感じた。ここで小銭もぶちまけたら笑い話だが小銭はちゃんとその人の手に渡りレシートで包んで財布の中にしまわれた。
「あ、ごめんなさい、28番のたばこ１つ貰えます？」
その時やっとその人の顔をちゃんと見た。かわいい。唇が小さくてふっくらしてて、化粧してない風なのに下まつ毛が綺麗に見えて、どの色素よりも強いピンクの目。夜勤のぼんやりした頭だったってのもあるかもしれないけど、既視感なんてものなくて、大量生産の安っぽいかわいさじゃない。
この顔でたばこ吸うのか、と考えてにやついた。たばこ吸う女なんて俺の天敵だとずっと思っていたが、この人が煙を吐き出す様を見たいと思った。
28番を探って１つ渡すとお釣りが出ない小銭を渡されてそれからは、視線が合うこともなくその人は軽やかなメロディーと一緒に自動ドアで隔てられた。
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無気力感(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてとても嬉しいです〜！シリ…もある……？ない…？いやもうそれはよくわからない……笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 22時) (
レス) id: b33f570211 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白くて一気に読ませて頂きました！かっちゃんの日記萌えます(*´艸｀*) 日記をつけてる意味などを考えると、シリアスな展開もあるのかな…？なんてハラハラしつつも、かっちゃんとの日常にときめきます(*´ω｀*) (2019年3月14日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感 | 作成日時：2018年11月20日 15時
