よんこめ ページ8
．
酒を飲むと俺も光原も甘えたになるらしい。
俺はただ眠くなるだけだろうと思っているが、光原の方はまあ甘えてくる。クラスの奴らをタクシーに乗せて返し終わると、すぐに俺に抱きついてきた。
「どーした、」
「…っふふふ、うまかった」
「あんぐらい食べられたらそりゃあ美味えだろうな」
「ほおほお、私もばくごーのこと好き」
「ん？おう、俺も」
若干会話が噛み合わない。こりゃ寝るな、とさり気なく寝室に向かう。寝かしつけてから後片付けをすればいいだろう。
ベッドに潜り込んで庇うように大きく抱きしめてやる。あー、爆豪臭がくせえ…と言いながら顔を埋めて匂いを嗅ぐ彼女を引き剥がすと、ちょっと何、今満喫中なんだけど！と怒られた。そりゃあ引き剥がすだろう。それになんだよ爆豪臭って。
「私が、浮気したらどうする」
また突拍子もないことを言い始めたぞこの女。
はよ寝ろやもう。んな事いいから、という言葉は結構真剣な発色のいい瞳に飲み込まれて消えた。溜息を小さく吐く。
「…相手を殺してお前を閉じ込める」
「ずいぶんと狂気的」
「そうだな、山にでかい家を買う。いや、いっそ海外だな。お前が生きるのに不自由はさせない。一日中ゲームでも、寝てても。もちろん、ヤってても良い。」
「悪くないね」
ふふふ、と楽しそうに笑う肩をぐいっと引き寄せる。てめえは、？どうすんだ、と問うとびっくりしたような顔をしてそうだなあ、と考え始めた。
「そうか、まずは相手が爆豪の事を知る前に年齢戻すねぇ、……それから新しい家を買って、もちろん人が少ない所。田舎でもいいよ」
「へえ、」
「そして、爆豪を2歳くらいに戻す。私が全部何でもやってあげて、小さい頃から好みに育てていくよ。」
「まるで源氏物語だな」
「ふふふふ、いいね。………人間の細胞って3ヶ月で入れ替わっていくらしいから、毎日食事に私の血液でも入れようかな」
「……3ヶ月後にはお前の血液が俺の中を流れてるってことか。悪くはねえ」
実際にはそんなことはないし、出来もしないのだろう。所詮酔った人間の戯言である。それでも、油の残っている皿を明日の朝洗おうか、と考えるほどにはとても甘美な彼女の温もりを離したくはないと思って、柔らかなキスをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 556人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろうそく(プロフ) - 無気力感さん» 素晴らしい考えですね！(笑)でもそれだと私死ぬ(笑) (2019年3月27日 7時) (
レス) id: 5667c76eb9 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - ろうそくさん» コメントありがとうございます！私の中のかっちゃんは付けてるので本当です（？）どんな世界線でも自身がそう思えるのならそれは公式ですよ！！（無茶苦茶）これからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 22時) (レス) id: b33f570211 (このIDを非表示/違反報告)
ろうそく(プロフ) - かっちゃんが本当にこんな日記付けてたら萌死できる自信ある。 (2019年2月27日 22時) (レス) id: 5667c76eb9 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - サンさん» コメントありがとうございます！長くて占ツクには似合わない書き方だと常々悩んでいるのでそう言っていただけると、とても励みになります〜！爆豪fightですね笑 これからもよろしくお願いします！ (2018年12月21日 1時) (レス) id: 67c7f64e95 (このIDを非表示/違反報告)
サン(プロフ) - 爆豪勝己がスパダリ過ぎて惚れた文の書き方めっちゃすきです (2018年12月16日 15時) (レス) id: b04ff4926f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無気力感 | 作成日時：2017年12月25日 16時
