俺のクソ愛しい彼女日記。【爆豪勝己】

16個目 爆豪side ページ42

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「……どうした」

「まあ、気分転換にね」
やっと結べるようになったと笑っていた髪の毛を刈り上げている事は置いといて、頰を覆うガーゼと頭に巻かれている包帯に対して思わず声が出た。が、光原は刈り上げた下後頭部を撫でてへらりと笑った。

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カチリカチリと鳴る箸の音はいつもより随分とゆっくりに思えた。やっぱり爆豪のご飯は美味しいね、と笑う声は少し掠れている。

「気分転換にしちゃあ痛そうだな」

こんな時こそ放ってやっとけばいいものを意地悪を言った。

「別にそうでもないよ、似合うでしょ？」

「んな事思ってるやつが泣くかよ」

「泣いてないし」

ふるりと、表面張力で保っていた涙がほろほろ頰を滑るのを見た。テーブルを挟んだ向こうの目尻を指で撫でた。口から何も言えない分、優しく撫でた。

痛かったな、悲しかっただろ、頑張ったな。身を呈して守った人間から罵詈雑言を浴びせられ、頰を打たれたこのヒーローをまた汚したマスコミも、ネットの匿名アンチからも、俺が守るからな。だからもう泣くな。なくなよ、ヒーロー。なあ。A。お前がなくと俺もかなしくなるだろ。なあ、俺と違って優しいお前は、そんな事でも心を擦り減らしていくんだろ。なあ、A。きっと、優しすぎるんだ、お前は。

お前はな、ヒーローには向いていない人種なんだよ。
そう、言えたらどれだけ俺は救われるだろうと思った。

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泣いてない、と言っていたのも俺が一言頑張ったな、と言うと結界が壊れたように光原は泣いた。ヒーローとしてはこれ以上甘やかさないが、彼氏としてはもっと甘やかしてやりたかった。数回しか来たことのないアパートの中で布団をひいて、日持ちする飯を作って、泣き疲れた光原を運ぶ。このまま俺も泊まってしまいたいが明日も仕事だ。最後に頰を撫でて家を出る。
明日も明後日も仕事だと思うと、熱帯夜と相まって自宅への足取りも重かった。



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8/1 晴れ
弱っていた。助けてやりたい
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じゅう と ごこめ→←＊

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