ごこめと、あと少し ページ17
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ドンドン響く音はBGMというより、他の音を掻き消す為に鳴っていると考えるのが正解だろう。防音設備の整ったドアを開けると、なんというか形になって音が俺の体にぶつかってくるようだ。
渡米旅行最終日、やっとカジノに来れたは良いものの、俺の彼女サマサマは賭け事に魅力を感じなかったらしく、元金二千円を四万八千円に膨らませてから同じ施設の中のバーに繰り出して行った。才能はあるらしい。
あんなに顔の良い女を一人にさせるのは不安でルーレットもバカラもそこそこにバーに向かうと、悪戯心が首をもたげた。ナンパされる反応を見てやろうと思ったのだ。冷えたジンジャーエールを片手にカウンターの直線上にいる女を見遣る。
まずは黒人のデカイ男。数言話すと光原が手を払って追い払った。男も呆れたように笑ってドル札を置いて消える。
次はバーテンの男。中々楽しそうに話しているが、男が手に触れてきた瞬間、遮るように新しい酒を頼む光原。バーテンは諦めたのか、サービスのチェリーを2つ入れて離れる。
次は女だった。しかも二人組。腕を組んだり手を繋いだりしているところから見ても二人はパートナーなのだろうか。日本よりオープンなここは同性愛者に対しての理解もある。どうしても拒絶が見えるのは日本くらいだ。
バーテンの女からサービスの酒を貰った。アセロラのカクテルらしいが、俺の口には合わない。つまみのチーズはうまいのに残念なセンスだ。
女は親しげに光原と話しながら笑っている。
一人は金髪ボブのミニスカート。もう一人は黒髪に青色のメッシュを入れたロング。
女というので光原も警戒心を少し解かれたのか、頬を触られてもにこにこしている。
長い脚を曲げてロングの女が光原の足を撫でた。二人ともこれで目標が女ともイケるのかを見定めるのだろう。慣れているのだろうな、と笑った。そこで、あいつもあいつでチェシャ猫のようににんまりと目を細めるものだから期待してしまう。普通はそうだ。
だがそれを切り捨てるように女はスマホを取り出し、タップを始めた。買った時から変えてない呼び出し音が俺の腹部から鳴る。何食わぬ顔で通話に出ると、それこそ困惑している女二人を尻目に宣った。
『私のダーリンはいつまでそこで見つめているつもりなのかしら』
まるで俺が仕向けたみたいな口調だ。
ジンジャーエールのビンの下に札を置いて、まずは女を追い払う所から始めるのか、と思うと苦笑いが零れた。
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ろうそく(プロフ) - 無気力感さん» 素晴らしい考えですね！(笑)でもそれだと私死ぬ(笑) (2019年3月27日 7時) (
レス) id: 5667c76eb9 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - ろうそくさん» コメントありがとうございます！私の中のかっちゃんは付けてるので本当です（？）どんな世界線でも自身がそう思えるのならそれは公式ですよ！！（無茶苦茶）これからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 22時) (レス) id: b33f570211 (このIDを非表示/違反報告)
ろうそく(プロフ) - かっちゃんが本当にこんな日記付けてたら萌死できる自信ある。 (2019年2月27日 22時) (レス) id: 5667c76eb9 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - サンさん» コメントありがとうございます！長くて占ツクには似合わない書き方だと常々悩んでいるのでそう言っていただけると、とても励みになります〜！爆豪fightですね笑 これからもよろしくお願いします！ (2018年12月21日 1時) (レス) id: 67c7f64e95 (このIDを非表示/違反報告)
サン(プロフ) - 爆豪勝己がスパダリ過ぎて惚れた文の書き方めっちゃすきです (2018年12月16日 15時) (レス) id: b04ff4926f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感 | 作成日時：2017年12月25日 16時
