彷徨うゾンビ ページ2
*
僕は歩く。特に意味も無く、気の向くままに足を動かしていく。
真っ直ぐに続く道路。元々は人で賑わう街だったんだろうな。辺りを見渡せば、民家の他に、少し荒れた畑や人の使った痕跡のある井戸がある。道の脇には小さな花が揺れ、何がが胸に落ちる感覚がした。
「――本当に僕は1人なのかなぁ……」
現実を受け入れるべきではあるが、少し前まで皆いました、という雰囲気があるこの場所を見れば、理想を言葉にするのも必然だろう。誰かがいれば、僕は何なのか、分かるはずなのに。
――でも、寂しいとは感じない。感情は無く、でも虚しさも残る心の臓器。と言っても、音は聞こえないのだが。――否、何の音も聞こえない街には、ただ大地の吐息が吹き抜けるだけ。
「……誰か、いないかなぁ」
喋る相手がいないと、疲れを知らない身体になった筈なのに、身体を動かすことも面倒になってくる。……まぁ、元々誰かと喋った記憶すら覚えていないのだから、変わらないと言えばそうなのだが。
面倒くさいとは思いながらも、僕の足は勝手に進んでいく。することは無いが、何もしないのも僕の気分的に違う。寝たくなれば寝ればいい、食べたくなったら食べればいい。特に欲もなく……いや、強いて言うなら承認欲求はあるかもしれないけど。
「僕は何すればいいんだろう」
歩くゾンビは考える。大切な記憶を蘇らせる為。
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紅苺(プロフ) - 由羅さん» コメントありがとうございます！ 面白いと言って頂けて光栄です。これからも読んでくださると嬉しいです。 (2019年3月16日 21時) (
レス) id: d59b2bee84 (このIDを非表示/違反報告)
由羅 - 独特の世界観で面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年3月16日 21時) (レス) id: 323856da4b (このIDを非表示/違反報告)
紅苺(プロフ) - 浅野月愛さん» コメントありがとうございます！ あまり見かけないジャンルを作ってみました。ゾンビって言えるかは謎ですけどね……(笑) 頑張りますね！ (2019年3月3日 20時) (レス) id: 989dfb85b6 (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛(プロフ) - ゾンビとか初めてみました！面白そうだから頑張って下さい！！！ (2019年3月3日 19時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅苺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinakomoch3/
作成日時：2019年3月3日 15時
