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｢剣城くん、信号変わってる｣
｢あ、すみません｣
いつの間にか信号は赤から青に変わっていて、その事を剣城くんに伝える。
慌てて運転を再開する彼を｢かわいい｣なんて思いつつ、さっきの質問に答えた。
｢心配してくれてありがとね、もうそのことは大丈夫だよ｣
｢まぁあれから10年も経ってますしね｣
｢うん…それにね、この前の同窓会がきっかけでたまに2人で会ったりLINEもしてるんだ｣
｢へぇ、マジですか｣
あの神童さんが、と少し驚いた様子でそう反応した。
神童くんが業務連絡しかしないのは他の人にも言えるみたいで、あたし達2人がそんな仲になってるとは思わなかったのだろう。
正直あたし自身も信じられないくらいだ。
｢その感じだとお互い復縁とか考えてるんですか？｣
｢んー、どうだろ。向こうに婚約者いるって話あるし、あたしはその辺あんま考えたことないかな｣
｢…神童さん的にはどうなんですかね｣
｢さぁ？結婚前の最後の女遊びじゃない？｣
我ながら卑屈だなぁと思いつつ、剣城くんにそう辛口のコメントをした。
そうだ。10年前からあたしはあの人にとっての1番じゃない。今のあたしはあの人にとっての暇潰しの存在でしかなくて、それは自分でちゃんとわかった上で今神童くんを好きでいるけど、いざ口に出してみると、心のどこかで傷ついている自分がいる。
どうしてなんだろう。
｢…先輩、今自分で言ったことに傷ついてますか？｣
剣城くんが痛い所を突かれて、思わずゔっとなる。
輝くんもそうだけど彼は中学の時から他人の感情に少し敏感な所があって、
悩みがあったりとかしていて口に出さなくても彼にはわかっている、ということがよくあった。
｢…そんなことないよ｣
｢まぁ先輩がそう言うなら…俺にはそう見えましたけどね｣
剣城くんがそう言ってふっと笑う。
あたしの方が先輩のはずなのに、何故か剣城くんと話してる時は年上と話しているような感覚になる。
多分あたしなんかより精神的に大人なんだろうな。そう思ったら一つ下の彼の横顔がなんだか急に異常なくらい綺麗に見えて、思わず目をそらしてしまった。
｢…もうすぐ着きますけど、コンビニ寄って色々買って行きませんか？こいつら多分起きないし、よかったら2人で飲みましょうよ…俺は明日練習あるのであまり飲めないですけど｣
｢あ、いいねそれ。賛成｣
そう言うと剣城くんはニッと笑う。
…知らなかった。彼、こんな風に笑うんだ。
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めのこ(プロフ) - すっごくキュンキュンしました……！更新停止中みたいですがまた再開されるのを待ってます。作者様のペースで頑張ってください(p`･ω･´q) (2018年2月1日 22時) (
レス) id: 5c77432af1 (このIDを非表示/違反報告)
梨亜(プロフ) - 疫さん» ありがとうございます…！ずっと更新できてなくてすみません(><)もっとキュンキュンさせられるように頑張ります！！ (2017年8月5日 11時) (レス) id: e53d30ab0e (このIDを非表示/違反報告)
疫(プロフ) - めっちゃキュンキュンする... (2017年8月1日 0時) (レス) id: e5015bd6f5 (このIDを非表示/違反報告)
梨亜(プロフ) - りるかさん» ありがとうございます！ずっと更新できてなかったのに読んでくださってる人がいるなんて嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2017年4月29日 21時) (レス) id: e53d30ab0e (このIDを非表示/違反報告)
りるか(プロフ) - とてもおもしろかったです！これからも頑張ってください！ (2017年4月29日 20時) (レス) id: 100f305c21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨亜 | 作成日時：2017年2月21日 20時
