45 ページ16
・
その日、定時のチャイムが鳴ったと同時に私はある人に会いに行っていた。
｢...待っていたよ｣
その人は私が部屋に入ったのを確認すると優しく微笑みかけてくれた。
この前話を持ちかけてきた商品開発部門の部長。今日こそ返事をしようと思って、昼休みに給湯室で会ったときに声をかけていた。
｢勤務後、話をしたい｣と。
｢あれからどう？...考えはまとまった？｣
慎重に私には問いかける部長に、私は小さく｢はい｣と頷く。
もう迷わない。私はまっすぐ部長の目を見て｢10月からよろしくお願いします｣とはっきり言った。あまり回りくどいことは言わずに、簡単な言葉で伝えたと思う。
｢良かった...嬉しいよ、いい返事が聞けて。もう君の部署には話をしてあるんだ。あとは10月からよろしくね｣
部長はそう言って顔を綻ばせた。
これでいいんだ。私も釣られて｢はい｣と笑って返した。
＿＿＿＿＿頑張ろう。
これから多分引き継ぎやら何やら、プライベートでは結婚式の二次会準備で大変になりそうだ。
*☼*―――――*☼*―――――
部長との話を終え、家に帰る頃には
季節は夏に差し掛かっているとはいえもう暗くなっていた。
部屋着に着替えて軽く夕飯を作る。
1人で暮らしているとはいえ、なんとなく食事はちゃんとしたいと考える派なので、カップラーメンで済ましたりすることなどはなかったりする。
...食べさせる相手がいないのがなかなか寂しかったりするが。
出来上がったご飯を食べながらふと思い出す。
そういえば天馬たち二次会何人くらい呼ぶのかな、会場はそろそろ絞れてるのかな。
考えることは二次会準備のことばかり。
｢そろそろ動き始めないとなぁ...｣
そう独り言をこぼしたのと同じタイミングでケータイの着信音が鳴った。
誰だろう。
電話が鳴ったのはかなり久々だ。
最後にこの着信音聞いたの、神童くんと2人で呑んだ次の日以来だなぁ...
...まさか、ね。
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めのこ(プロフ) - すっごくキュンキュンしました……！更新停止中みたいですがまた再開されるのを待ってます。作者様のペースで頑張ってください(p`･ω･´q) (2018年2月1日 22時) (
レス) id: 5c77432af1 (このIDを非表示/違反報告)
梨亜(プロフ) - 疫さん» ありがとうございます…！ずっと更新できてなくてすみません(><)もっとキュンキュンさせられるように頑張ります！！ (2017年8月5日 11時) (レス) id: e53d30ab0e (このIDを非表示/違反報告)
疫(プロフ) - めっちゃキュンキュンする... (2017年8月1日 0時) (レス) id: e5015bd6f5 (このIDを非表示/違反報告)
梨亜(プロフ) - りるかさん» ありがとうございます！ずっと更新できてなかったのに読んでくださってる人がいるなんて嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2017年4月29日 21時) (レス) id: e53d30ab0e (このIDを非表示/違反報告)
りるか(プロフ) - とてもおもしろかったです！これからも頑張ってください！ (2017年4月29日 20時) (レス) id: 100f305c21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梨亜 | 作成日時：2017年2月21日 20時
