先生と生徒 ページ41
「そんなことあったのか」
紫耀に全てを話すと、そう言ってサワーを飲んだ。
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あの後、海人くんと番号を交換した。
告白し合ったけど、付き合おうとは言わなかった。どうするのが正解か、いまいちわからなかったのが本音だ。
「電話、待ってます」
そう言って、海人くんは立ち上がった。
「あ……送るよ」
「いえ、親に見られたら面倒だし。また授業で」
そのまま、歩いて帰って行った。
あまりに味気ない別れで、さっきのキスは本物だったのかと思うほどだった。
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家に着いて落ち着いた頃、早速電話をかけた。
「……はい。いま、海人寝ちゃってます」
出たのは、女性だった。
予期せぬ事態だ。おそらく、母親だ。
頭をフル回転して、言い訳を考えた。
ここで切るのは印象が悪い。私の名前を何で登録したのかわからないけど、先生とかだとまずい。
私は講師であることを名乗り、進路相談のために電話した、と言った。
かなり怪訝そうだったが、折り返しさせると返事をされて、電話は切れた。
問題はその後だった。
.
「室長に呼ばれたんだ。それで」
「そう。番号交換だめですよって。知らなかったです、で通したけど」
「過保護な親だな。告げ口なんて」
「……まあでも。付き合おうって言われてないし、あれから電話来ないし、その気無いのかなって」
そう言うと、紫耀は少し間を置いた。
「そうなんじゃ無い？遊びかもよ」
「遊びだった人がよく言うよねぇ」
「おい。だからそれは違うってなったじゃん」
必死に反抗する姿がかわいらしくて、2人で笑った。
お互い、次のお酒を頼む。
「したことないんだよきっと。恋愛」
「まあ、そうだろうね」
「好きなの？それでも」
聞かれて、考えた。好きと伝えてキスまでしたのに、なぜか先に行かない。
心の奥底で、先生と生徒というレッテルが抜けないからだ。
禁断の関係に躍るほど、子供ではない。
「好きだと思うけど、進める気がしない」
「立場的にな」
「もだし、なんか。お互い一時の感情かなって」
「……だから、離れてみる。落ち着くまで」
「なるほどね。キスは帳消しか」
「……」
「俺は好都合だよ。むしろウェルカム」
え、と横を見ると、サワーを飲んで言った。
「俺は全然まだ好きだよ。Aのこと。
キスだって、なかったことにして欲しいよ」
店員の威勢のいい声が、遠くに聞こえる。
私の顔を見て、紫耀は言った。
「付き合おうよ。俺と」
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たぴたん(プロフ) - やばいです！ドツボです！！すっごく好きなお話です!!!更新楽しみにしてます(^^) (2018年11月30日 23時) (
レス) id: 8fdbc6821c (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - さやさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！少し話自体は長くなりそうなんですが、最後までよろしくお願いします。 (2018年11月25日 11時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - はじめまして！これからどうなるの〜\(//∇//)\ 文章が読みやすくスルスル進んじゃいます！早く続きが待ち遠しいです！ (2018年11月25日 10時) (レス) id: e9d59d8006 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！経験浅いですが楽しんでいただけてよかったです。今後もぜひ、よろしくお願いします。 (2018年11月21日 13時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 設定も内容もとってもドキドキして面白いです！海人君はクールでミステリアスさがあって、ルックスは勝手に胸キュンスカッとの中原君で想像してます〜(^^)更新楽しみにしてますね！ (2018年11月21日 10時) (レス) id: 647445b209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆ | 作成日時：2018年8月5日 22時
