わかっていた ページ27
「……誰にかは、言わないです」
私は、分かっていた。
知っていた。遊びで近づかれたことも、本気の恋愛には発展しないことも。
それでもいいと思っていた。
けれど、ここ最近、そうであって欲しくないと思うようになった。
毎週2人でご飯を食べて、同じ仕事をする。
2人で帰るあの道も、色んな話も、全てが大切になっていた。
こうなると思わなかったから、自分でも驚いている。
だからこそ。今遊ばれていると率直に言われると、かなり応えるものがある。
「……わざわざ、ありがとう笑
気にしてないからいいんだけどね笑」
「どうしてですか？
そんなの嘘ですよね」
そうしてまた、海人くんが私を見つめる。
授業の終わる時間だ。
紫耀が立ち上がる姿が見えた。
「はい。じゃあ今日ここまでね。課題もよろしく」
「……せんせ」
「いいから」
この話は、終わりだ。
だいたいこの子がそんなこと知ってる理由がわからないし、そんなこと話すのもおかしい。
強い口調で言うと、海人くんは黙った。
「気を付けて帰ってね。また来週」
出口まで送らず、そのまま私は休憩室に入った。
.
こんなに、落ち込むと思わなかった。
どうしちゃったんだろう。今までだって、友情止まりの付き合いはたくさんしてきた。
慣れていたし、その先に進まなかった。
それはなんでだったんだろう。
ほっとけないと思ったこともなかったし、かっこいいと思ったこともなかったし、毎週会っても何も感じなかった。
けれど紫耀は違う。
会うたびに、想いは変わった。
恋愛なんて、面倒だと思っていた。
これが好きってことだったっけ。
いや、そんなはずは……
悶々と考えすぎて、先生たちが部屋に入ってきた。
私はなぜか紫耀と顔を合わせたくなくて、
久しぶりに、
1人で帰った。
その帰り道は、
妙に星が綺麗だった。
星座が見えた気がして、
海人くんが少し、頭に浮かんだ。
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たぴたん(プロフ) - やばいです！ドツボです！！すっごく好きなお話です!!!更新楽しみにしてます(^^) (2018年11月30日 23時) (
レス) id: 8fdbc6821c (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - さやさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！少し話自体は長くなりそうなんですが、最後までよろしくお願いします。 (2018年11月25日 11時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - はじめまして！これからどうなるの〜\(//∇//)\ 文章が読みやすくスルスル進んじゃいます！早く続きが待ち遠しいです！ (2018年11月25日 10時) (レス) id: e9d59d8006 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！経験浅いですが楽しんでいただけてよかったです。今後もぜひ、よろしくお願いします。 (2018年11月21日 13時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 設定も内容もとってもドキドキして面白いです！海人君はクールでミステリアスさがあって、ルックスは勝手に胸キュンスカッとの中原君で想像してます〜(^^)更新楽しみにしてますね！ (2018年11月21日 10時) (レス) id: 647445b209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆ | 作成日時：2018年8月5日 22時
