質問 ページ23
一瞬、時が止まった。
この子は、何を言いだすんだ。本気なのか冗談なのかもわからないけど、そういうキャラじゃない子が言うと、本気な気がしてくる。
「………どうだろうね。どう思う？笑」
わざとはぐらかすと、海人くんはじっとわたしを見つめたまま答えた。
「……いると思ってます。この中に」
鋭い。しかも、なんで分かってるんだ。
直球でこんなこと聞かれるの初めてだったし、何より、生徒だ。
周囲の声が、遠くに聞こえる。
完全に2人の世界に入ったようで、逃げ場がない。冗談で流す間合いは、とっくに終わった。
何言ってんの、と無理に終わらせようと口を開くと、後ろから声がした。
「あれ。どうかしたの？忘れ物？」
紫耀だ。この空気を感じとったのかはわからないけど、かなり助かる。
「いや、違うけど、ちょっと質問受けてた」
「へぇー、解決した？」
紫耀が問いかけてわたしの顔を見ると、海人くんは紫耀を見つめて口を開いた。
「できました。…まだ聞きたいことあったんですけど、帰ります。先生さようなら」
「あっ、さようなら、気をつけてね」
そのままこちらを見ずに、海人くんは帰っていった。
解決出来たって、どういう意味？？
わたし答えてないけどな……
「松井せんせ。一緒帰ろ」
「あぁうん。ちょっと待ってて」
なんだか今日は、いろんなことがよくわからない。
この感情は、初めて経験するものだった。
.
自転車を引きながらいつものように並んで歩く。今日あったこと、話すか迷う。
「あーーはらへったーー」
「えー？そんなにかなぁ」
「そんなだよ！お菓子も置いてないしさぁ」
「まぁそれは確かに」
「あー中華くいてぇー」
どうでもいいバカ話をしながら、分かれ道まで歩く。まぁ、話す必要もないか。さっきのこと。
深い意味なく聞いたのかもしれないし。
「じゃあ、お疲れ様」
「…………先生。質問です」
手を挙げて、紫耀が言った。おどけないから、こちらも普通に返す。
「はい。なんですか」
紫耀は手を下げて、私をじっと見つめた。
「さっき、何を聞かれてたか、
教えて下さい」
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たぴたん(プロフ) - やばいです！ドツボです！！すっごく好きなお話です!!!更新楽しみにしてます(^^) (2018年11月30日 23時) (
レス) id: 8fdbc6821c (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - さやさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！少し話自体は長くなりそうなんですが、最後までよろしくお願いします。 (2018年11月25日 11時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - はじめまして！これからどうなるの〜\(//∇//)\ 文章が読みやすくスルスル進んじゃいます！早く続きが待ち遠しいです！ (2018年11月25日 10時) (レス) id: e9d59d8006 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！経験浅いですが楽しんでいただけてよかったです。今後もぜひ、よろしくお願いします。 (2018年11月21日 13時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 設定も内容もとってもドキドキして面白いです！海人君はクールでミステリアスさがあって、ルックスは勝手に胸キュンスカッとの中原君で想像してます〜(^^)更新楽しみにしてますね！ (2018年11月21日 10時) (レス) id: 647445b209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆ | 作成日時：2018年8月5日 22時
