友情 ページ22
あれから私は、紫耀と呼んでいる。
向こうも私を、名前で呼んでいる。
そして、海人くんの授業が正式に1つ増えた。
週3回会うことになり、そのうちの1回は紫耀と帰りにご飯を食べる。
この生活を続けていた。
このままいけば、友達で終わるだろう。
私はそれでもいいと思っている。恋愛なんて面倒だし、自分にお金を使いたい。
けれど、一緒にいるとなんだかフワフワして、時間が経つのが早い。どういうわけか会うのが当たり前で、会えなくなると少し動揺する。
恋愛から離れすぎて、好きという感情を忘れていた。
.
「じゃあこれ、解いてみよっか」
今日は、紫耀と遊ぶ日だ。正直この関係もおかしいと思う。分かってはいる。友達でもこんなに会わない。
狙われているとも考えづらい。私を友達として見ているし、遊び相手にも……
「先生」
呼ばれて驚いて海人くんを見ると、大きな目で私を見つめていた。
「えっ……あっごめん、なに？」
「問題。終わりました。上の空だから」
「あぁ……ごめん。丸つけするね」
ノートを貰おうとすると、海人くんがノートを手で抑えた。
「え。どうしたの？なんか違った？」
「いま、なに考えてたんですか」
あのビー玉のような目で、私にそう聞いた。
逸らせなくなって、慌てて答えた。
「え？なにが？笑 今日なに食べようかなーって」
「本当に？ 今ですか？」
どうしてそんなに聞きたがるんだ？
それに、今までの海人くんと何かが違う。
え、こんなだったっけ……
答えられず少しの間見つめあってしまっていると、椅子の下に消しゴムが転がってきた。
前の方に座っている子のものみたいだ。
先生は、紫耀だった。
拾ってどちらに渡すか迷っていると、紫耀が歩いてきた。
「ごめん松井先生ありがとう」
笑顔でそう言いながら受け取り、また戻っていった。
松井先生。初めて呼ばれた気がする。
なんだか、嬉しい。
いや、今は授業中だ。
我に返って海人くんを見ると、じっと紫耀を見つめている。
え。なんでだろう。
名前を呼ぶとびっくりしながらこちらを向いた。私は笑いながら、ノートを取る。
そこで、周りがざわつき始めた。
授業が終わる。
.
海人くんをいつもみたいに出口まで送ろうとすると、急に立ち止まった。前を向いたままだ。
「どうしたの、忘れ物？」
そう声をかけると、こちらを振り返って言った。
「先生は今、
気になってる人はいますか」
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たぴたん(プロフ) - やばいです！ドツボです！！すっごく好きなお話です!!!更新楽しみにしてます(^^) (2018年11月30日 23時) (
レス) id: 8fdbc6821c (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - さやさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！少し話自体は長くなりそうなんですが、最後までよろしくお願いします。 (2018年11月25日 11時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - はじめまして！これからどうなるの〜\(//∇//)\ 文章が読みやすくスルスル進んじゃいます！早く続きが待ち遠しいです！ (2018年11月25日 10時) (レス) id: e9d59d8006 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！経験浅いですが楽しんでいただけてよかったです。今後もぜひ、よろしくお願いします。 (2018年11月21日 13時) (レス) id: 0414dcbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 設定も内容もとってもドキドキして面白いです！海人君はクールでミステリアスさがあって、ルックスは勝手に胸キュンスカッとの中原君で想像してます〜(^^)更新楽しみにしてますね！ (2018年11月21日 10時) (レス) id: 647445b209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆ | 作成日時：2018年8月5日 22時
