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その思いのまま、Aを壊さないように優しく抱きしめる。
香水ではない、Aをそのまま表したような柔らかな香りが俺を包み込んで、その香りにどうしようもなく安心した。
「おかえりA」
Aの耳元でそう言えば、ただいま。と囁きながら背中に回る腕。
『そか、それが先だったね』
ふふっと笑ったことで腕の中で小さく揺れるAを、思っているより脆くない。と言っていたイヌピーのその言葉を信じて、恐る恐る少し力を込めて抱きしめ直した。
すると壊れるどころか、苦しむ様子もなく同じく強まるAの腕。
少し開いていた俺とAの間の隙間がピッタリと埋まる。
『ココの匂いは安心するね』
この匂いすごく好き。と俺と同じ思いを呟いた。
さっき自分が思っていた事と同じことをAも思っている。
その事だけでたまらなく愛しさが溢れた。
鼻先でAの髪をかき分けるように左右に動かして、首元に顔を埋める。
くすぐったい。と少し身を捩るAにフッと笑って、肺いっぱいにその香りを閉じ込めた。
『ココ
首に息がかかる』
そう言って俺の肩を押す弱々しい力に争う事なく顔を上げれば、少し頬を赤くさせているAの顔が見えて
駅だとか、人がいるとか考える間もなく
当たり前のようにキスをした。
触れるだけのソレにピクリと肩を揺らすA。
小さな音を立てて唇を離せば、まだ驚いた顔のまま固まっている様子が見えて思わず吹き出す。
そのAの頭の上にポンポンと手を置いて、横に置かれたキャリーケースを掴む。
「まっすぐ帰るか？」
そう聞きながらAの手を掴めば、お土産渡すからイヌピーの店に寄る。と言ってその小さな手が俺の手を握り返した。
『で、これがお湯に溶かすやつね！』
そして4日から開店させたバイク屋に行けば、見慣れた後ろ姿。
あけましておめでとう！と勢いよく扉を開けたAに、イヌピーの背中が大きく揺れた。
そして今、俺らに持って帰ってきた土産の紹介が行われている。
「多くね？」
店でも開くんか。と言うくらい広げられた食べ物や飲み物たち。
その紹介を聞いても最初の方のやつは既に頭に残っていない。
『アレもこれもって思ったら多くなっちゃった』
「よく持って来れたな」
『袋が丈夫だった』
Aの言う袋を見れば、持ち手の部分が重さで限界まで伸び切った哀れな姿のビニール袋。
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玉兎(プロフ) - えりちゃんさん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️ なんと2回目！楽しんでもらえて嬉しい限りです！！ これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！✨✨ (6月15日 11時) (
レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして☺️実は読ませてもらうの2回目なんですが､きゅんきゅんが止まりません！毎日の楽しみになっています💕 (6月15日 2時) (レス) @page7 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 香恋さん» コメントありがとうございます！ はじめまして☺️ 中毒症状出ましたか〜夜更かしまで😂😂 嬉しいコメント励みになります✨ありがとうございます🥰 頑張ります！！💪 (2023年1月29日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - はじめまして！一昨日この作品を見つけて、テンポも良いし面白すぎて読むのが止まりませんでした！読む手が止まらなくて中毒症状出ました笑。面白い展開と文才の凄さに夜通し読んでしまいました！更新楽しみにお待ちしてます😭 (2023年1月29日 13時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！！✨ 嬉しいお言葉感謝感激です！！🥳 地道に下書き進めてますので少しお待ちください！よろしくお願いします☺️ (2023年1月24日 22時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年10月28日 18時
