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『私が何も考えず友達や家族と過ごしてる間、ココは必死に勉強して、必死にお金稼いで人一倍頑張ってたんだよね』
優しく紡ぐAの言葉にまた心が満たされていく。
でも、そんな褒められる権利俺にはない。
Aの手を掴んで、そっと俺の頬から離す。
「……そんなんじゃねぇよ…
俺のしてきた事は決してそんな風に言われることじゃねぇ」
『やり方は間違ってたかもしれないけど、その努力は褒められるものだと思うよ
人はね、誰でも道を間違うの
大事なことは、その間違いに気付いた時どうするか
ココは、反省して後悔して、もう2度と同じことはしないって決めたんだよね
だったらいいじゃない』
ね?と全て知っていたにも関わらず、いつもと変わらず笑いかけてくれるAに鼻の奥がツンとした。
『私の知ってるココは、優しくてカッコよくて強くて賢くて、そんなココが
………大好き…』
徐々に小さくなる声と比例して赤くなっていくAの顔。
最後はこの距離じゃないと聞こえないくらいで、でも確かに聞こえたその言葉に勢いよく立ち上がってAを抱きしめた。
「…お前、紛らわしすぎる」
『えぇ!?』
フラれたかと思った。と言えば大袈裟なくらい慌てるAに、フッと笑う。
「で、俺の彼女になってくれんの?」
少し体を離して今度は先ほどと逆に俺がAの頬を包んで持ち上げる。
ブワッと更に赤くなる顔。
大丈夫かと心配になる程熱くなるAの頬。
『ぁ、ぅ……ょ、よろしくおねがい…シマス』
頬は赤く、涙まで浮かび出した顔で言われた言葉に、これはヤバいと咄嗟にAの顔を見ないように抱きしめたが、ドクドクといつもの倍ほど速い自分の心音を聞かれてそうでちょっと後悔した。
『こ、ココ、ココ離して…』
死んじゃう。とか細く聞こえた声に顔を覗き込めば茹で蛸のようになっている。
「大丈夫かお前」
『だいじょばない…』
はわわ…と俺の腕の中で赤い顔を手で覆って隠すAがたまらなく可愛い。
『……前からココを前にするとこうで
心臓が破裂しそう』
「は?」
前からっていつから。
『顔が熱くて心臓がドキドキするの』
「……まさかそれで俺を避けてた?」
コクリと頷くAに思わず天井を見上げた。
「お前アレで俺がどんだけ悩んだと思ってんだよ
マジで俺お前になんかやったかと思ったわ」
『え!!
ご、ごめんなさい…
だって…』
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玉兎(プロフ) - えりちゃんさん» 初めまして!コメントありがとうございます☺️ なんと2回目!楽しんでもらえて嬉しい限りです!! これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!✨✨ (6月15日 11時) (レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして☺️実は読ませてもらうの2回目なんですが、きゅんきゅんが止まりません!毎日の楽しみになっています💕 (6月15日 2時) (レス) @page7 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 香恋さん» コメントありがとうございます! はじめまして☺️ 中毒症状出ましたか〜夜更かしまで😂😂 嬉しいコメント励みになります✨ありがとうございます🥰 頑張ります!!💪 (2023年1月29日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - はじめまして!一昨日この作品を見つけて、テンポも良いし面白すぎて読むのが止まりませんでした!読む手が止まらなくて中毒症状出ました笑。面白い展開と文才の凄さに夜通し読んでしまいました!更新楽しみにお待ちしてます😭 (2023年1月29日 13時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!!✨ 嬉しいお言葉感謝感激です!!🥳 地道に下書き進めてますので少しお待ちください!よろしくお願いします☺️ (2023年1月24日 22時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉兎 | 作成日時:2022年10月28日 18時