257.歌いたいパート（ジェイ） ページ10
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「……ある」
俺の質問に、ナナは「歌いたいパート……」とぼんやりと俺の顔を眺めたまま黙って。それから気まずそうに視線を下げながら、そう口にする。表情の割には、意思がこもった声。自分から聞いたとはいえ、その答えが意外でちょっと驚いてしまった。
「あるの？」
「うん。……ラスサビ前の、ここなんですけど……」
「ここらへん？」
「もうちょっと前、大体2分31秒のとこくらいで……あ、そこです」
ナナがパート表のある部分を指さす。それを見てジョンウ兄さんが動画のシークバーを動かして、その部分の再生する。流石曲作りに携わったナナ、本当にズレなくぴったり再生されたパートを聞いて、俺はぱちりと瞬きをした。
「ナナ、本当にここが歌いたいの？」
つい、そう聞いてしまった。ナナが歌いたいと言ったパート、それは『
でも、歌詞が。この歌詞をナナがわざわざ歌いたいというのが、衝撃だった。
(もしかしてナナはこの歌詞と……)
その先を遮るように、ナナは「歌いたい」と口にした。
「ここさえ歌えれば他のパートは歌えなくてもいいです。……もちろん、わがままなのはわかっているので駄目なら全然いいんですけど……」
「……いや、いいよ。みんなもいいよな？」
「全然大丈夫ですよ」
「はい、ナナ兄さんにぴったりだと思います」
「むしろ歌って欲しいくらいです！」
ジョンウ兄さんの問い掛けにスンオンとユンソ、ホンハイがそう返して。俺もすぐに「大丈夫です」と頷いた。
「よし、じゃあここはナナが歌うってことで」
「はい、ありがとうございます。上手く歌えるよう頑張ります」
「任せたわ。……でもこのパートだけじゃ流石に少なすぎるし、他のパートは足さないとだな。そもそもこれも歌ってキリングパートもやる、でもいいし」
「……う。じゃあキリングパートは他のみんなが歌えなかったら、でお願いします。それなら仕方ないので……」
渋々そう言ったナナ兄さんに、ジョンウ兄さんは「わかったよ」とため息をついて頷いた。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます！ 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました！思わず、ナナー！！！！って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年7月24日 22時
