253.あっけない態度(ユン・ジョンウ) ページ6
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「ナナ兄さん、カン来てください〜! ナナ兄さんならラップも行けます! お願いだから助けてくださあい〜!!!!」
「アハハ……カンかあ……」
ハンビンの隣にいるナナはジュンヒョンの熱いコールに苦笑いをして。それから何処か心配そうにナナを見つめるハンビンに小さく首を振って優しく笑いかけてから、息をついてこちらを見た。俺達のいる、『Home』の方向を。
(いや、そんなわけ……)
意思が固まったような、ナナの凛とした瞳と目が合って動揺する。それは俺だけじゃなく、ジェイやスンオン、ユンソ、ホンハイもそうだった。いや、『Home』の俺達だけじゃなく、会場にいる全員がそうだったと思う。
それを気にしないかのようにナナはただこちらだけ見て、まっすぐ歩いてきた。
「みんなよろしくね。ジョンウ兄さんもよろしくお願いします」
「ナナ、どうして『Home』に……」
俺の前で立ち止まって頭を下げるナナに、ついそう聞いてしまう。それにナナは不思議そうに首を傾げる。
「や、『GANG』と『Home』の二択なら当然『Home』じゃないですか。俺ボーカルですし。もちろん『GANG』も素敵な曲だし、あんなに期待してくれた手前ジュンヒョンには悪いけれど……そもそも俺『GANG』ってキャラじゃないから。ほら、俺に漢を感じます?」
「それはまあ……確かに」
「ナナ兄さんは漢じゃないですよね。なんていうか、中性的で、美人って感じで……」
「……ちょっとくらいは否定してほしかったなあ……」
俺とユンソがそう返すと、自分から言ってきたくせ、ナナは不満そうな顔を見せた。
(……気にしてなさそうというか、ナナは昔のことは割り切ってるのか?)
曲が発表された時は動揺していた割に、この曲をやるざるを得なくなった今のナナの態度に悲壮感とかは全く感じなくて。かなり驚いてしまった。いや、もしかしたら周りが気にしないようにそう振る舞っているのかもしれないけれど、とにかくナナの反応は想像よりもずっとあっけない。
「編曲は任せてください。創作ダンスは専門外なんですけど、振り自体はまだ体が覚えているはずなので役に立てるかなって」
「ありがと。ナナがいれば百人力だわ」
「アハハ、それは言い過ぎですよ。それにダンスに関してはジョンウ兄さんに頑張って貰わないと」
ね? とジェイやスンオン、ユンソ、ホンハイを見るナナ。それにみんなは何回も頷いて。その様子に、思わず吹き出してしまった。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます! 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました!思わず、ナナー!!!!って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルパイ | 作成日時:2023年7月24日 22時