296.参考(キム・テレ) ページ49
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「確かにヨンジュさんすごくボーカル上手かったです。高音も難なく出て綺麗だったし。N͜͡umber全員オールラウンダーなのは知ってましたけど、改めてソロで聴いてびっくりしました」
「俺もあまり詳しくはないんだけど、ヨンジュって元々ダンスとラップじゃくてダンスとボーカルだったらしいんだよね。CUBEで練習生してたとき、急にラップも出来たらかっこいいんじゃないかって思い付いて始めたみたいで。フェテク兄さんも急にラップやるようになったからびっくりした〜って言ってた」
「す、すごいですね……」
「ね。かっこいいからって理由がヨンジュらしいというか……。でもちゃんとものにしちゃうから凄いよね」
逆にミンジュン兄さんは「ボーカルが出来ないアイドルラッパーはボーカルから逃げてるみたいでダサいだろ」ってボーカルも出来るようにしたらしいよ、と話しているナナ兄さんを見ながら、本当にN͜͡umberは奇跡のような凄いグループなんだと思う。同時に、こんな才能に溢れたメンバーがこぞって「ナナは本物の天才」だと言っていたことを思い出して少しぞわりとしてしまう。
「あ……だいぶ話ずれちゃったね。ごめんね、ヨンジュやN͜͡umberの話になるといつも一人で盛り上がっちゃって……。……それで、ヨンジュのナムジャガサランハルテを見て参考にしたってこと?」
「はい。ヨンジュさん、すごく歌詞にぴったりの甘くて爽やかな歌声で……何よりカメラじゃなく、観覧席にいる人達や周りの出演者を見て歌ってる感じがしたから。俺もこんな風にステージに立ちたいって思ったんです」
「そっか。だから中間発表のとき、テレのパフォーマンスを見てヨンジュを思い出したんだ。……ありがとう、テレ。ヨンジュを参考にしてくれて。俺も嬉しいし、ヨンジュも喜んでると思う」
「いや、むしろこっちがお礼を言いたいというか……! ヨンジュさんのおかげで上手く消化出来たので! だからありがとうとか言わないでくださいよ」
優しく微笑むナナ兄さんに焦りながらそう言うと、ナナ兄さんは首を振って「そうだとしても、」と言った。
「『国民の彼氏』のヨンジュを……リアコなアイドルとして活動していたヨンジュを今も好きでいてくれること、尊敬してくれることが、嬉しいし……救われるから」
「……救われる?」
どういう意味だろう。そう思う自分を見て、ナナ兄さんはほんの少しだけ寂しさが混じったような顔でふっと小さく笑った。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます! 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました!思わず、ナナー!!!!って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルパイ | 作成日時:2023年7月24日 22時