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293.照れ(キム・テレ) ページ46





「でもやっぱり、ナナ兄さんは完璧で居すぎなくてもいいと思いますよ。だってどんなに天然で言動が変になっても、ナナ兄さんは歌もダンスもラップも何でも出来ちゃうすごいアイドルなんですから。前にフェテク兄さんが言ってましたよ、何でも出来るナナ兄さんに抜けてる一面があるってとこがアイドルとして満点なんだって」

「そういうものなの……?」

「そういうものなんですよ」

「ええ……? でも俺って別になんでも出来るわけじゃ……多分みんなが想像する以上に出来ないこといっぱいあるし、普通にかっこ悪いよ」


 ナナ兄さんが出来ない事ってなんだ。普段の様子を見る限りスポーツや勉強もそつなくこなしそうだから、全然想像つかない。そう思って「出来ないことって?」と聞き返すと、ナナ兄さんは「えっ、いや……それは……」と視線を泳がせた。


「……い……言わない……」

「なんでですか、自分から言ったんだから教えてくださいよ」

「ほんとにダサいから無理……」

「あ、ナナ兄さん照れてます?」


 耳元を触りながら、俯いたナナ兄さん。多分ナナ兄さんは誤魔化そうとしたのだろうけど、耳や首が若干赤くなっているのが見えてしまって、つい笑いながら言ってしまった。


「や、照れてない。いつも通りだって」

「でも耳とか赤かったですよ」

「ちが、これは暑いからで」

「暑いわけないじゃないですか。……ああ、照れて暑くなってるんですね」


 俺の言葉に、ナナ兄さんは顔を両手を覆いながら「キムテレの意地悪、悪魔、見た目詐欺……」と悔しそうに、絞るような声で呟いた。相変わらず耳や首はちょっと赤くて、こういうところも最初は見れるなんて思ってなかったな、ナナ兄さんはこういう時に照れちゃうのか、とにやにや口角が上がってしまう。




「そういえば、フェテク兄さんといつそんな話したの?」

 落ち着いたのか、顔を上げたナナ兄さんがそう聞いてきた。


「ん? 再評価の時ですよ。ほら、ナナ兄さんが最初に超笑顔で自己PRした……」

「わ、忘れて! あの時のことは記憶から抹消して!」


 どうせなら赤くなってる顔も見たかったな。そう残念に思いながら答えると、ナナ兄さんがぎょっとしたような顔をして。そしてはっとしたように顔を覆って俯いた。そんなナナ兄さんに追い打ちをかけるように「また照れてます?」と聞けば、「ほんとにやめて……」と返されて思わず声を出して笑ってしまった。いじめすぎたかもしれない。





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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます! 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました!思わず、ナナー!!!!って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アップルパイ | 作成日時:2023年7月24日 22時

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