289.好きな食べ物 ページ42
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「ちょっと！ ジョンウ兄さんいきなりなにするんですか！ 下ろしてください！！」
突然ジョンウ兄さんに横抱きにされたことに戸惑いながら、そしてダンスバトルのときの醜態が頭に過ぎりながらそう声を上げれば、ジョンウ兄さんは「やだ」と言った。
「こうでもしないとナナ寝ないだろ」
「ちゃ、ちゃんと寝ますから……だから下ろしてください。お願いします」
「ナナの『ちゃんと寝ます』は信じられないからやだ。どうせどうにか誤魔化して練習続けるつもりだったろ」
「そんなこと……」
は、あるけれども。図星すぎて言葉が詰まる私に、ジョンウ兄さんは呆れたような顔を見せた。
「ほら、ちゃんと捕まらないと落ちるだろ」
「う……絶対おかしいですよこの絵面……というか重くないんですか？ 」
「いや、全然。むしろ軽くて心配になるわ」
「軽すぎは流石に言い過ぎですよ。ジョンウ兄さんと俺って身長同じくらいじゃないですか」
私の言葉に、ジョンウ兄さんが「じゃあお前何kgだよ」と聞いてきて。ぐっ……となりながら「それは……非公開です」と返すと、「言えないくらい軽いってことじゃん」とジョンウ兄さんは笑う。
「……ナナさあ、痩せた？」
私を抱えて歩き出してすぐ、ジョンウ兄さんがそう言ってきた。
「痩せ……ましたかね？」
「前より軽く感じる。お前もっと食えよ。消費カロリーと摂取カロリーが釣り合ってないんだろ」
「そう言われても……」
意識したことなかったけれど、確かにほぼ引きこもりと言っていい番組参加前と今で食事量が大して変わっていないような気がした。明らかに消費カロリーは増えたのに、その分食べていないから意図せず痩せてしまっているのかもしれない。
とは言っても、無理に食べても出してしまうのだから仕方ない。そう思いながら「食べることにあまり興味なくて」と苦笑いする。
「たまにいるよなあ。何食べても同じ、食べるのめんどくさい、みたいなやつ。ナナは好きな食べ物とかないわけ？」
「好きな食べ物？…………あ、」
「なに？ なんかあった？」
「あ、いや、好きな食べ物っていうか……N͜͡umberって宿舎でルームシェアしてて。忙しかったからご飯は出前だったり外で買ったりレトルトが多かったんですけど、たまにヨンジュが料理するの好きだから〜ってご飯作ってくれたんです」
懐かしいな。四人一緒に暮らしていたときのことを頭に思い浮かべて、つい笑みが漏れた。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます！ 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました！思わず、ナナー！！！！って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年7月24日 22時
