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288.感情表現 ページ41





「『나는 이렇게 너를 보내고 싶지 않아(僕はこんな風に君を見送りたくないんだ) 맘이 부서진 채로(心が壊れたままで) 매일 무섭고 싶지 않아(毎日脅えるのはもう嫌だよ)』…………え、わっ、!?」

 震えで少しだけ上擦ってしまったけれど、さっきよりはずっと感情を込められたはず。今みたいに感情を込めながらも歌声がぶれないよう、たくさん練習すれば——。息を整えながらそう考えていたら、突然後ろからぐい、と腕を掴まれた。


「……じょ、ジョンウ兄さん……??」

 訳も分からずそのまま振り向かされると、目の前にはジョンウ兄さんがいて。何故か真剣な、何処か焦ったような表情をしたジョンウ兄さんは私の顔をこれでもかというくらいにじっと見つめたあと、小さく息をついて「……良かった」と呟いた。


「いきなりどうしたんですか……?」

「……泣いてるかと」

「……俺がですか?」


 首を傾げて聞き返せば、ジョンウ兄さんは私の腕から手を離しつつ、少し気まずそうな顔をして頷いた。


「今まで聴いたことないくらい悲しい歌声だったから」

「ああ……泣いてるって勘違いされるくらいには表現出来てたってことですよね? 他の人が聴いてもそうなら良かった。ありがとうございます」

「お前なあ……こっちは本気で心配したのに」

「はは……すみません。でも大丈夫ですよ。悲しい歌を悲しく歌ったからって、つられて泣いたりしません。もう大人だし、プロですから……って、今はただの練習生ですけど……あはは……」


 苦笑いする私。ジョンウ兄さんは何故か神妙な面持ちで見つめた。




「ナナ、」

「はい?」

「…………とにかく、寝よ」


 しばらく私を見つめたあと、ジョンウ兄さんはそう言った。なんだか変な間があったような。そう不思議に思っているうちに、ジョンウ兄さんがまた私の腕を掴む。


「あ、俺は大丈夫です」

「何言ってんの。もうほぼ朝じゃん。たまたま目が覚めたらナナがベッドに居ないから、まさか……って思ったら案の定練習室にいるし。あんま遅くまで練習するなって言ったよな?」

「や、でも俺ずっと起きて練習してたってわけじゃなくて。ついさっきまでユジンの部屋で寝落ちしてたんですよ。だからいつもよりはちょっと早いけど……ちょっ、ジョンウ兄さん!? まっ、」


 弁明していると、ジョンウ兄さんがふと手を離して。納得してくれたのかな、そう安堵した瞬間、私の体は宙に浮いた。





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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます! 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました!思わず、ナナー!!!!って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アップルパイ | 作成日時:2023年7月24日 22時

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