282.迷い(ユン・ジョンウ) ページ35
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「自分はここではN͜͡umberのマンネじゃなくて、デビュー経験のある
「駄目駄目って程ではないけれど……確かに少し集中出来てなかったね」
「ダンスもだけど、歌声にも迷いがあった。珍しいわ」
「……はい。ちょっと、色々考えてしまって。雑念が取り払えなかったというか……」
ヨンジュン先生とソルジ先生の返しに、眉を下げて小さく笑うナナ。確かに、今日のナナは調子が良くなかったというか、意識がどこか別のところにあるような感じがした。
いつもなら誰かが動線を間違えてぶつかりそうになってもナナが先に気付いて避けたりそれとなく元の位置を示してくれるのに、今日は思いっきりぶつかってしまって。その衝撃で初めてぶつかったことを理解したようで、ナナがはっとした顔で「ごめん」と口を動かしていたのを思い出す。動線通り動いていたナナは何も悪くないのだけど、それでも周りをよく見ているナナがそうなるのは珍しかった。
普段はまっすぐで深い歌声も、ソルジ先生の言う通り迷いがあるような、正解が分からなくて揺れているような、そんな風だった。不思議だった。ナナはいつだって正解の歌声を出すのに、自分が制作に携わった曲で迷いを見せるなんて。
「……すみません、せっかくのトレーニングにこんな……。次までにはちゃんと完璧なパフォーマンスを見せます。振付だけじゃなく編曲も直した方がいいと思うので、それまでには」
「うん、そうだね。歌だけ聴いていると、完成したらカッコいいと思った。だから、ちゃんと自分達のレベルや魅力に合わせたステージを作ったらすごく良くなるはずだよ」
「ありがとうございます、すみません」
「……こちらこそごめんね。今の君はN͜͡umberのナナじゃない、は流石に言い過ぎた。君がなりたくてこうなった訳じゃないのに」
深々と頭を下げるナナに、ヨンジュン先生が言葉を掛ける。さっきまでの厳しい口調ではなく、優しいものだ。
「……いえ、俺がもうN͜͡umberじゃないのは事実ですから。むしろ、気付かせてくれてありがとうございます」
頭を下げたまま、表情は見えないまま、ナナはそう言った。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます! 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました!思わず、ナナー!!!!って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルパイ | 作成日時:2023年7月24日 22時