281.大変（ユン・ジョンウ） ページ34
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「……これは大変だ」
トレーニングの時間になって。先生達との和やかで明るいやりとりとは一転、パフォーマンスが終わるとヨンジュン先生が深いため息をつきながらそう言った。隣のソルジ先生の表情も厳しい。
「ジョンウ」
「はい」
ヨンジュン先生に名前を呼ばれ、俺はすぐ返事をした。そんな俺を、隣のナナは心配そうに見る。ナナも、俺と同じように今からヨンジュン先生に投げかけられる言葉が予想出来てたんだと思う。それだけ、俺達がしたパフォーマンスは実力不足としか言いようがなかった。ダンスは中途半端だし、そのダンスに集中しようとしてボーカルも中途半端なものになっていて。本当に酷かった。
「分かってると思うけど、穏やかな曲だけど振り付けは多い。君たちには難しすぎる。ボーカル自体も編曲で難易度がかなり上がってるみたいだし、これじゃあいくら練習しても形にならないと思う。
……あとナナ、君が何よりもこの曲の難しさをわかっているよね。当時SEVENTEENのメンバーが大変そうだったのは見て知っているだろうし、何より……あのとき大変だったろ？」
「……はい」
ヨンジュン先生の視線が俺からナナに移って。ヨンジュン先生がそうナナに聞くと、ナナは少し目を伏せながら頷いた。
「N͜͡umberは全員ボーカルもダンスも出来たし、それぞれの一番得意な分野が違ってもメンバーの間で実力差はなかった。だから君はのびのび曲を作ってパフォーマンスが出来たんだろうね。……でもナナ、今の君はN͜͡umberのナナじゃない。隣にいるのはプロのアイドルじゃなくて、ただの練習生だ。それをもっと理解しないとダメなんだよ。君達があのとき苦労して完成させたステージが、他の練習生も同じくらいの苦労で済むわけがないんだよ。もっと大変だし、時間も掛かるはずだ」
「でもヨンジュン先生、ナナは……」
俺がダンスに欲張ってしまっただけで、ナナは最初に止めてくれたんです。俺がそう言おうとすると、ナナは「大丈夫です、ジョンウ兄さん」と制した。そして小さく息をつく。
「……練習中、何度も『このままじゃステージが完成しないかもしれない』って思いました。それなのに、でもきっと大丈夫だって、みんななら最終的に上手くできるって、そう自分を納得させてました。……きっとこれはみんなを信頼してたわけじゃない。ただ甘えてたんです」
N͜͡umberの時みたいに。自嘲するような笑みを浮かべながら、ナナは言った。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます！ 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました！思わず、ナナー！！！！って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年7月24日 22時
