269.汗（ソン・ハンビン） ページ22
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ナナの部屋に着き、ナナや同室のジョンウ兄さんとスンオンを起こさないよう、ゆっくり静かにナナをベッドに寝かせる。ベッドに降ろす時もやっぱりナナは本当に軽くて、次会ったときは「もっとたくさんご飯食べて！」と言おうと決意した。
(……ナナ、汗かいてる？)
布団を掛けようとしたところで、ふと気づく。恐る恐るサイドランプをつけて、明かりに照らされたナナを見てやっぱりと思う。寒がりな上に体質的にあまり汗をかかないらしいナナが、ついさっきまで寒い外にいたというのに、今はじっとりと汗をかいていた。
それだけナナが苦しんでいると思うとすごく辛かったけれど、自分が辛がっても仕方ないので、気持ちを切り替えるように小さく深呼吸をする。
(……とりあえず、拭いた方がいいよね)
このままにしたら冷えてしまうし、寝心地も良くないはずで。そう思ってベッドの側に畳んであった、おそらくナナのタオルを一枚手に取る。まずナナの額や首元の汗を拭うと、ナナは一瞬ぴくりと眉を動かしたけれど、すぐにまた静かに寝息を立てた。
(下は無理だけど、せめて上だけでも……)
男同士とはいえ、流石に寝ている相手のズボンを脱がすのはかなり抵抗がある(起きてる状態でも良くないと思うけれど)。上の服を脱がすのも抵抗が全く無いわけではないけれど、状況が状況だから仕方ないはず。
ごめん、ナナ。内心そう呟いて、ナナの着ているスウェットの裾をたくし上げた。
(なんだろうこれ……サポーター？)
スウェットの下は肌着かと思ったけれど、肌着にしては随分硬くて厚いというか、補正や矯正するようなものが詰まっている感じだ。ナナって腰か背中を痛めてるのかな。普段はそんな感じはしないけど、もしかしたらそれを隠していたのかな。寝るときまで付けるって、相当酷いんじゃ……。もやもやとそう考えながら、サポーターらしきものに触れる。とりあえず、汗を拭くにはこれも脱がさなきゃいけない。
「………………え？」
胸元のファスナーをゆっくり下げて。肋くらいまで行ったところで、その手が固まった。あらわになった"それ"を見て、声が漏れたと同時にどばっと嫌な汗が出る。まさかこんな、漫画やドラマみたいなことが。
(……どうしよう、)
急いでナナの服を元に直して、ナナに布団を掛けて。そうして逃げるように部屋から離れてから、バクバクとうるさい心臓を押えながら俺はただ立ち尽くすだけだった。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます！ 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました！思わず、ナナー！！！！って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年7月24日 22時
