263.イントロ（ユ・スンオン） ページ16
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「スンオン、もしかしてナナまだ帰ってきてないの」
「はい。まだです」
練習二日目の、もう夜も深くなってきた頃。お風呂から出たジョンウ兄さんがそう聞いてきたから、僕はナナ兄さんのベッドをちらりと見て頷いた。ナナ兄さんのベッドにナナ兄さんはいなくて、朝起きた時に見た綺麗な状態のままだ。
チームでの練習を終えたのは一時間ほど前だ。でもナナ兄さんは「いま編曲いいところなので、先に部屋に戻っていてください」と僕達に言って。ダンスやボーカルの練習なら止めただろうけれど、編曲に関しては浮かんだアイデアを直ぐに形にしないと駄目だってことは編曲の経験がない僕達でもなんとなく分かるし(実際ナナ兄さんはかなり集中した顔で楽譜に書き込みをしていた)、何よりナナ兄さんが「すぐ終わると思うので」と言ったから、僕達はナナ兄さんを置いて部屋に戻っていた。
僕が先にお風呂に入って、その後にジョンウ兄さんが「俺が出る頃にはナナ戻ってんかなー」と言いながらお風呂に行ったのだけど、ジョンウ兄さんがお風呂に入って僕がひとりで寝る支度をしている間もナナ兄さんが部屋に戻って来る気配は無かった。
「なんだよ、全然すぐじゃないじゃんか。あいつー」
「なら僕、ナナ兄さんの様子見てきますよ」
呆れたようにため息をつくジョンウ兄さんに言うと、ジョンウ兄さんは目を瞬かせる。
「お。いいの？」
「はい。僕はもうベッド入るだけなので。ジョンウ兄さんは寝る支度してください。ジョンウ兄さんまだお風呂出ただけですよね？ 髪とかちゃんと乾かさないと」
タオルで軽く拭いただけでまだ全然乾いていなさそうなジョンウ兄さんの髪を見ながら言うと、ジョンウ兄さんは「あー、悪いな」と笑った。
「じゃあ頼むわ。スンオンが何か言っても帰ってこなさそうなら俺呼んで。無理矢理でも抱えて連れてくから」
「あはは、わかりました」
ダンスバトルの時にジョンウ兄さんにお姫様抱っこされて振り回されたナナ兄さんを思い出して。つい笑いながら、僕は頷いた。
(このイントロ……)
扉を開けて練習室に入ったけれど、ナナ兄さんは集中しているのか僕には気づいていないようで。
ナナ兄さん。そう声を掛けようとした瞬間、僕に背中を見せて床に座るナナ兄さんがシンセサイザーで何かを演奏し始めた。明らかに『Home』じゃない。何の曲だろうと思うよりも先に思い付く。知っている。この曲は、『milky way』だ。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます！ 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました！思わず、ナナー！！！！って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年7月24日 22時
