「君は悪くない」6

260.意外な反応 ページ13

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「N͜͡umberとして活動してたとき、他のグループの曲をカバーをして大変だったって経験はこれだけじゃないけれど、どれが一番大変だったか聞かれたら『Home』が一番だって自信持って言えます。めちゃくちゃ大変でした。俺達は決まってから本番までにそれなりに準備期間があったから、それまでには完璧に仕上げられて何とかなりましたけど……今回は練習する時間が一週間くらいでそんなに時間がないじゃないですか。6人だから2人だったときよりは個人の負担はその時よりは大きくないだろうけど、今回もかなり大変なのは変わらないと思います」

「ナナが言うなら、想像以上に大変なんだろうな……」

「はい。かなり。……あ、怖がらせること言ってごめん。こんなこと言ったけど、練習頑張ればきっと出来ると思うから。ただ、だいぶ覚悟はした方がいいってだけで……」


 私の話を若干青い顔で聞いているジェイやスンオン、ユンソ、ホンハイが目に入って、急いでそう言った。みんなのやる気を下げたかったわけではない。ただ、自分やヨンジュが苦労したようにみんなが苦労するのは分かっているから、言わずにスルーするのも良くないと思って。
 焦る私に、スンオンが「それなら、」と口にする。


「ダンスもこのまま頑張りたいです。ボーカルもダンスも出来たら、たくさんの人にスンオンはすごいメインボーカルだって思って貰えると思うから」

「……そう？」


 てっきり「それなら創作を増やしてダンスの難易度を下げましょう」といったことを言うと思っていたから、ちょっとびっくりする。そんな私にスンオンは「はい」とはっきりと言って、他のみんなも同調するように頷いた。ジェイなんかさっきのサブダンサー決めで「ダンスは普通です」と言って踊るのを嫌がっていたから、かなり意外な反応だった。



「……みんなこうだから、部分創作で基本的な振りはそのままってことで大丈夫か」

「そうですね……なんか本当にすみません。無駄に嫌なこと言っちゃって……」

「いや、大変だって最初から知っておくのは大事だろ。知ってた方がちゃんと練習に向き合える。何よりナナが意地悪で言ったんじゃなくて、みんなを思って言ってくれたのはわかるから。わざわざありがとな、ナナ」

「いえ、お礼を言われることでは……」


 何故だかジョンウ兄さんにはお礼を言われるし、他のみんなも「やっぱりナナ兄さんは優しいですね！」と笑顔で私を見るから、だいぶ困惑してしまった。





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