「君は悪くない」6

259.難しい曲 ページ12

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「創作ダンスに関しては構成を主にして基本的な振り付け入れる」

「部分創作ってことですか？」

「そう。全部変えて一から作るには時間が足りなさすぎるし、部分創作の方が曲の雰囲気も保てると思うから」

「そうですね。分かりました。……でも、」


　その先を言おうとして、すぐにこんな水を差すようなこと言っちゃ駄目なような気がしてやめる。でも口には出てしまったから、当然「でも？」とジョンウ兄さん聞かれてしまう。


「……いや……えっと……先に言っておきますけど、別にみんなの実力を下に見てるわけじゃないですよ？ みんなが消化できないって言いたいわけじゃないんです。でも……この曲を歌いながらダンスもするってかなり難しいです。……自分も昔カバーをした時、ものすごく苦労しました」

「え、ナナでもそうだったの？」

「はい。そもそも本来は13人でやる曲ですから。もちろん13人全員がぴったり息を合わせてパフォーマンスをするっていうオリジナルの難しさもあるんですけど、自分の時はたった二人で、ほぼ歌いっぱなしでダンスをすることになったので。……まあ、本来はダンスは控えめにボーカルを魅せるステージでいこうって話だったんですけど、ヨンジュがダンスもオリジナル通りできた方がかっこいいだろって言ったから振りをほぼ変えずにやることになったんですけど……」


 ミンジュン兄さんほどでは無いけれど、ヨンジュもかなり無茶ぶりをするタイプなんだよな、と思い出して苦笑いをする。やりたい！ と一度思ったらそのまま突っ走ってしまうし、そのスピードにはとても追いつけない。リードから抜け出してまっすぐ走っていく、足の早い犬のようだった。
 『Home』をカバーすると決まった時もそうだった。ヨンジュが「ダンスもそのままで」なんて言った時は、「何言ってるのヨンジュ」と眉をひそめて返してしまったし当然止めたけれど、結局ヨンジュの勢いに押されて。ヨンジュの希望通り、13人が2人だから動線やらはかなり変わってしまったものの限りなくオリジナルに近いパフォーマンスをすることになってしまった。

 練習中は、本当にSEVENTEENの皆さんって本当に凄いなとずっと感じていた。きっとあの13人息のあったパフォーマンスは個人個人の実力や努力はもちろん、メンバー全員が長い間一緒に過ごして、信頼し合っているからこそできるものだと改めて気付かされたし、私達N͜͡umberもそんなグループになりたいと思ったんだった。





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