名前で呼んで ページ36
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次の日、私は資料を持ってミンユンギの会社にいた。
「少しトラブルもあったみたいですけど、無事納品していただいてよかったです。」
『いえ!こちらこそ心配おかけしました。また次の取引も、よろしくお願い致します。』
営業トークをしながらユンギを盗み見る。
するとぱちっと目があって、思わず目線をそらした。
(な、なんか意識してるみたい...)
いやいやない。私にはオッパがいるでしょ。
そう考えた時、頭に忘れたはずの情景が浮かんできて胸がチクっと痛んだ。
残業帰り、女の子と一緒に帰っていたオッパ。
(結局何も聞けてないどころか連絡もしてないなあ...)
今日帰ったら連絡しよう。きっと誤解だよね。
『ありがとうございました!またきます!』
会議室から出る重役の人たちを見送る。
最後に会議室を出ようとするミンユンギを、『ちょっと、』と呼び止めた。
「?なに?」
『いや、えっと...今回はほんとに、ありがとう。
あなたがいなかったら私、どうしてたか...』
俯いて話すと、クスッと笑う声が聞こえた。
「ああ、そんなこと。」
『そんなことって...!』
思わず顔をあげると、唇に柔らかい感触。
『.........っっ!?!?』
「これでチャラってことで。あとフルネームで呼ぶのやめろよな。」
『...な、なにをいきなり...っ!』
「言ったと思うけど、俺本気だからさ。過去を忘れてとは言わないけど、今の俺もちゃんと見て?」
じゃあな、って立ち去るユンギに、私は何も言い返せずただ立ち尽くしていた。
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きき - ここで終わり.......すごく楽しく読んできたからショック!続きはだしてもらえませんか?(><) (2020年4月23日 8時) (レス) id: a646f46467 (このIDを非表示/違反報告)
未緒(プロフ) - 更新 待ってます。 (2019年4月10日 21時) (レス) id: 7e7e321463 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 更新してほしいです (2018年7月27日 23時) (レス) id: f0a56d10c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユン - なぜこれで完結しているのでしょう… (2018年7月8日 13時) (レス) id: 99e77d7118 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - 凄い面白い!!続きが気になりすぎます!頑張ってください! (2017年7月29日 20時) (レス) id: eff2d09bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaho | 作成日時:2017年3月14日 11時