揺れるこころ ページ33
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どうして。
残業って言ってたのに。
...いや、きっと残業は本当だったんだろう、終わらせてから一緒に飲むことになったんだろうな、きっとそう。
そうとわかってても。
「おっぱあ〜〜ミナもう歩けない〜」
「はいはい、タクシー呼ぼうね。」
私は今まで必死に仕事してたのに、楽しくその子と飲んでたんだ。私が泣きそうなくらい大変な裏で。
考えれば考えるほど嫌な考えしか浮かんでこなくて、涙をこらえてその場から去るので精一杯だった。
帰り道をとぼとぼと歩きながら、ぼーっと考える。
きっと私みたいな女の子より、ああいう甘え上手の女の子の方がモテるんだろうな、とか。
やっぱり私は恋愛向いてないんだろうな、とか。
忘れたはずのミンユンギとの恋愛まで思い出してしまって、さらに涙が溢れた。
『私、誰かに奪われてばっかだな。』
口に出すと余計悲しくなる。
さらに溢れそうな涙が溢れないように、唇を噛んで上を向いた。
「星、きれーだよな今日。」
突然後ろから聞こえた声にびっくりして振り返る。
「え、なんで泣いてんの。」
『ミンユンギ...』
こんな時もフルネームなのって言って笑う彼に、悔しいけど安心してさらに涙が溢れた。
『なんで...』
「家の前で泣かれてたらそりゃ声かけるっての。...上がってく?コーヒーくらいいれるけど。」
ここ、おれんち。そう言って指さされたのは目の前の高層マンション。
いつもなら、ふざけんな!くらい言ってやるところなんだけれど。
(オッパも他の子とイチャイチャしてたもん、いいもん!)
なんて悪魔な考えが働いてしまって、そして何よりこちらを見るユンギの目が優しくて。
『......うん。』
思わず頷いてしまったんだ。
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きき - ここで終わり.......すごく楽しく読んできたからショック!続きはだしてもらえませんか?(><) (2020年4月23日 8時) (レス) id: a646f46467 (このIDを非表示/違反報告)
未緒(プロフ) - 更新 待ってます。 (2019年4月10日 21時) (レス) id: 7e7e321463 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 更新してほしいです (2018年7月27日 23時) (レス) id: f0a56d10c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユン - なぜこれで完結しているのでしょう… (2018年7月8日 13時) (レス) id: 99e77d7118 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - 凄い面白い!!続きが気になりすぎます!頑張ってください! (2017年7月29日 20時) (レス) id: eff2d09bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaho | 作成日時:2017年3月14日 11時