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◆007 ページ7








『最悪だ、傘持ってきてない』







外は雨が降っていた。


予報で雨なんていってたっけ?
どっかで傘買っていこうかな?



そう思ってカバンを傘がわりにしようとした瞬間。






ふと、目の前に止まった黒い車に目線が集中した。







そこから傘をさしながら出てくる男に、
周りの人々はうわぁ、と声を漏らした。



まるで、絵に描いたような王子様のようなビジュアルに、釘付けにならない人はいなかった。
私を除いて。



そいつは、私を見つけるなりこちらに向かって来る。






『え、やだ、なに、え、』





スタスタと歩いて目の前まで来ると、
私の髪の毛を手に取る。

そしてそのまま自分の口に近づけ、
まるで映画のワンシーンのようにこう言った。





「結婚しよう、俺たち。」














とてつもなく寒気がした。






『あんた頭おかしいの?』






周りの視線が、とても刺さった。
とてつもなく恥ずかしかった。







『てか私の職場どうやってわかったの?』

「調べればわかることだよ」

『プライバシーの侵害なんですけど』




手を離して、とそいつの手を払う。



『職場まで来るなんて頭おかしいんじゃないの?
だいたい、断ったでしょ。私はあんたと結婚するつもりはない。だから付き纏うのもいい加減にして』

「ふーん……あっそう。」





意外と簡単に飲み込んだこいつに
ちょっと言いすぎたかな、と顔を覗き込む。




「じゃ、びしょ濡れになって帰れよ」




鼻で笑ってから、じゃあなと車へと引き返すそいつ。


言い過ぎもクソも無かった。





『ヤー!待ってよ。
なに、送ってくれるってこと?』


「お前次第」





びしょ濡れになって傘を買いに行くか
こいつの車に乗って帰るか。
勿論後者を選ぶ。




『ご厚意に甘えちゃおうかなぁ、なんて。』


「どうしようか、俺ここまで来ちゃったけど」





私とずいぶん距離のある場所に止めてある車。


もう車の直ぐ側まで引き返したそいつは、
私に向かってこう言った。




「傘は一つしかないから、
お前が歩いて来いよ。ここまで。」




優しいと思った私が馬鹿だった。





『ヤー!!雨に濡れろって言うの?こんな降ってるのに!!!あんたがここまで来ればいい話じゃん!!』

「ちなみに俺はもう車に乗るつもり。」

『くっ…!今行くから!!』





傘を閉じて車に乗り込む目の前の男。



『覚えてろよ』



くそ野郎が。

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アイアイ(プロフ) - 内容が好きすぎて何度も見返してます❤️更新待ってます!続きが気になります! (8月9日 21時) (レス) @page43 id: ef22ae402e (このIDを非表示/違反報告)
ソア(プロフ) - WWHさん» ありがとうございます😭なかなか更新できずにいたのですがこれからはちゃんと更新していきますのでよろしくお願いいたします🥺 (2022年8月13日 1時) (レス) id: f38870ceaa (このIDを非表示/違反報告)
WWH(プロフ) - 初めまして✨いつも見させていただいてます!!このソクジンの口調といい全部最高すぎます!!これからも応援してます~😭 (2022年8月11日 16時) (レス) @page41 id: 91cce3d1cc (このIDを非表示/違反報告)
ソア(プロフ) - しいんさん» うわああああ😭そんなこと言っていただいて本当に嬉しいです🥲🥲これからこのお話もどんどん更新していこうと思っているので、よろしくお願いいたします!!😭😭😭 (2022年2月4日 23時) (レス) id: f38870ceaa (このIDを非表示/違反報告)
しいん - うあああ…最高すぎます泣できちゃった恋愛をみて主様に恋しちゃいました!!これからも頑張ってください!応援してます~~! (2022年1月22日 0時) (レス) id: 4349a34933 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソア | 作成日時:2021年9月9日 14時

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