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M「ごめんカズ…やっぱ俺、無理だわ」
背中の目覚めないカズに俺はずっと謝った。
咄嗟と言うか衝動的に言ってしまった。
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あの人は成瀬さんであって
成瀬さんじゃない別人。
あんな失礼なこと…。
でも、もう壊されたくなかった。
やっと、やっとカズは前に進もうと
成瀬さんを過去にして、
最近はよく笑うようになったのに。
成瀬さん…・・・。
あんたはいつまでカズを独り占めするんだよ。
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久々に見たカズの寝顔。
そっと髪を撫でる。
N「んっ…・・・」
ゆっくり開く瞼。
M「カズ、大丈夫か?」
N「ジュンくん・・・?」
M「あぁ」
カズがゆっくり体を起こす。
N「あの…、さっきはごめんね」
M「俺のほうこそ。
勝手にきれてごめん」
カズを抱きしめる。
M「怖かったろ?」
腕の中で小さく頷く。
M「痛いところねぇか?」
N「ねぇ・・・ジュンくん」
カズが顔を上げる。
M「んっ?」
N「僕のことを助けてくれたのは誰?」
M「えっ?」
カズはあのとき眠っていた。
だからあの状況を覚えてないのに
助けたのは俺じゃないとわかっている。
なんで・・・?
M「あー・・・知らねぇやつだった」
N「そっか…」
しょんぼりするカズ。
やっぱ・・・・俺じゃ駄目か。
M「よく寝とけよ」
N「えっ?ジュンくん帰っちゃうの?」
M「ちょっと野暮用思い出してさ、
明日また同じ時間に迎えに来るから。」
N「わかった・・・気をつけてね?」
M「あぁ、んじゃあなっ」
カズの髪をぼさぼさと撫でた。
がちゃん
ドアが閉まる。
今日は自棄酒だな、
俺は鼻で笑って階段を降りた。
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革ベルト
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作者名：黄桃 | 作成日時：2011年8月4日 11時
