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◇◇◇
あの日、一颯くんと会わなければ……今頃私たちは、どんな未来を迎えていたんだろう。
そんなこと考えても仕方ないのにね。
私はドキドキの絶頂にいた。
指を。そっと、ボタンの上に乗せる。
ぴっぴっぴっぴっぴっぴっ。
６ケタの暗証番号を、慎重に打ち込む。
……間違えてないよね？あんなに必死に暗記したんだから、間違えてるわけがない！
ガチャっと音がして、自動ドアがスライドする。
開いた！！！
私は上機嫌でマンションに入った。
今日はまた別のお友達が来るらしい。
お友達大集合。どんな人だろう……。
チャイムを押す。
ぴんぽーん。
ばたばたとうるさい足音と、何かの叫び声がして、勢いよくドアが開いた。
それと同時に、誰かがすごい勢いで転がり出てきた。
「いててて……」
「あーあ……大丈夫？一颯ー」
呆れたような、でも心配そうな奏多くんが転がってる子の様子を伺っている。
そして最後に出てきた勝ち誇った顔の羽生くんがにっこり微笑んだ。
「いらっしゃい」
「あの……これは……？」
痛そうに倒れていた男の子が、よろよろと起き上がった。
「結弦……それは俺のセリフだ……！！」
「出迎えるだけなのに必死になりすぎ。こんなの言ったもん勝ちだもん」
んんん？……何なんだか……。
出迎えが……趣味な人なのかな？…変わってるな。
「ま、あがって」
訳が分からないまま、リビングに通された。
奏多くんと転がってた子が、向かいに座る。
「久しぶり〜Aちゃん」
奏多くんはいつ見ても余裕のある爽やかな美少年だ。
「お久しぶりです」
隣の子と目が合った。
お……この男の子、よく見るとめちゃくちゃ綺麗な顔をしてる。
整った子供みたいな甘い顔。これは……絶対ジャニーさんも即スカウトしたくなると思う。
んー……作りは甘い顔なのに、顔つきは三人の中で一番大人っぽいかも。
ジャニーズみたいな顔の子はちょっと照れたように頭を下げた。
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作者名：mirin | 作成日時：2020年4月5日 17時
